今週は米FOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB理事会、そして日銀金融政策決定会合と世界三大中央銀行の政策金利発表があります。事前予想では、FRB(連邦準備制度理事会)とECBは0.25%の利上げが確実視されています。日銀に関してはYCC(イールド・カーブ・コントロール)の上限幅拡大の可能性が若干残っており、この修正が行われれば事実上、間接的な金融引き締めに当たるため、円高へと向かうのではないでしょうか。

今週は重要経済指標の発表が極めて多いため、マーケットは警戒感が強いと思われます。FRBとECBの政策金利引き締めスタンスが緩和されるかどうかが、ポイントになるでしょう。

金利先物市場の動きを見ると、FRBは今月の利上げが最後という見方が大勢です。ECBに関しても2回の利上げ(0.25%×2回)で終点が見えてきている状況です。今後はしばらくこの政策金利を維持しつつ、リセッション入りを視野に、来年にかけて政策金利引き下げの準備に移っていくのではないでしょうか。

しばらく続いた金融引き締めサイクルは、今月から数ヶ月以内に終えることになるというのが一般的な見方のため、株式市場と同様に、暗号資産市場もポジティブです。リセッションなどリスクオフ相場でも強い上昇をしていたのが暗号資産であり、中でもBTC(ビットコイン)は顕著です。この秋、リスクオフ相場が到来するなら、BTCは盛り上がる可能性もありそうです。


BTC(ビットコイン)はSMA30が上値抵抗線に、420万円割れを警戒しつつも上昇基調

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から入ります。

予想通り、SMA30(1ヶ月移動平均線)で上値を抑えられました。前回、前々回、利食いの逃げ場として提案していたポイントですが、ちょうど7月23日夜につけたようです。現在は425万円付近で推移していますが、引き続きこのSMA30がレジスタンスとなりそうです。

しかし、下降トレンドラインも右方向に抜けてきているため、相場反転の可能性も出てきています。SMA90(3ヶ月移動平均線)はまだ下サイドで緩やかに上昇中ですが、今週中には400万円の大台に乗せてくるような角度です。この上昇に期待をして待ちたいと思います。サポートラインが緩やかに切り上がっている証拠になります。

【図表2】 BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足チャートに移ります。

下降トレンドラインを右に抜けた日足の詳細図です。4時間足では緩やかに並行上昇チャネルレンジで推移しています。420万円を割らない限りは、今週は上昇目線で見ておいてよいのではないでしょうか。

仮に割り込んでくる場合は、再び下落トレンド入りする可能性があります。その場合、日足の412万円付近のサポートライン、さらに下の400万円の深い押し目を意識したリスク管理が求められそうです。この4時間足でのSMA90と並行チャネル下限ラインとも重なるため、422万円前後になると予想します。

ETH(イーサリアム)は方向感がない状況、エントリーは見送りか

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャートに切り替えます。

SMA30と90の間での推移は変わっていません。引き続きこのバンドの間で推移するのではないでしょうか。下降トレンドラインにもまだ到達せず、方向感がない状況が続きます。
ここ数日、SMA30に上値を押さえ込まれている状況のため、上昇の勢いがつくにはこれを超えなければ難しいでしょう。今週どこかのタイミングで、27万2000円を超えて日足をクローズすることが条件となりそうです。

下降トレンドラインも徐々に下がってきているので、今週前半はさらに小動きとなるのではないでしょうか。上昇目線ではいますが、今週のETH(イーサリアム)トレードに限っては一旦休みでも良いと考えます。