東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日続落となりました。5円高の32,393円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分で170円高の32,558円まで上昇した後伸び悩むとマイナスとなり下げ幅を広げました。後場に入り12時40分過ぎに322円安の32,065円まで下落した日経平均は、その後下げ渋ると急速に持ち直し13時50分前には13円高の32,402円まで戻しました。しかし、先週末の終値を小幅に上回ったところで上値が押さえられるとマイナスとなり結局198円安の32,189円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
良品計画(7453)が21.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。第3四半期9ヶ月間の営業利益は前年同期比で8.7%減となりましたが、中国のゼロコロナ政策が終わり中国事業の売り上げが回復したことや、「無印良品」で1月から一部商品を値上げしたことで採算が改善したことなどから第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で2.1倍となり増益に転じたことで買いを集めました。ライフコーポレーション(8194)も一時8.8%高となり年初来高値を更新しました。総菜やプライベートブランド(PB)商品の販売が好調だったほか、広告宣伝費を抑えたこともあり第1四半期の営業利益が前年同期比で15.0%増となったことから大幅高となりました。リョービ(5851)も一時9.2%高となり年初来高値を更新しました。電気自動車(EV)の新しい生産技術「ギガキャスト」を使う大型車体部品の生産に参入すると伝わったことを材料視した買いが入りました。鳥貴族ホールディングス(3193)も一時3.9%高となりました。6月の既存店売上高が前年同月比で23.0%増と高い伸びとなったことから買いが優勢となりました。
一方でカメラや時計の中古品ネット販売のシュッピン(3179)が4.0%安となりました。主力のカメラ事業が好調で6月の月次売上高は前年同月比で4.7%増となりましたが、5月の16.6%増から伸びが鈍化したことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は198円安となりました。先週末の米国市場が下落となったことや、一時142円台前半まで進んだ円高を受けて売りが優勢となりました。しかし、自律反発狙いの買いで朝方には170円高となる場面もありました。また、後場には一時320円以上下落した後下げ渋ると小幅にプラスとなる場面もありました。そのため押し目買い意欲は引き続き高いといえそうですが、6月27日の取引時間中に付けた安値(32,306円)を割り込んだことから調整局面入りへの警戒感が一段と強まりそうです。なお、2月決算企業の第1四半期決算発表が本格化しています。本日も引け後にはウエルシアホールディングス(3141)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時にはバー米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)