日本株相場が反発に転じるカギは米国の物価統計
先週の日本株相場は調整色の強い展開だった。株価水準としては6月後半の調整局面とほぼ同じ位置まで下落した。日経平均は3万2000円台前半、TOPIXは2250ポイント付近まで下げて、ダブルボトムのような形だ。需給面では相場の重石となったETFの分配金捻出売りも本日10日で峠を越える。値ごろ感や需給面の悪材料通過から今週は押し目買いで反発に転じると期待される。
そのカギを握るのが米国の物価統計だ。12日に6月の米消費者物価指数(CPI)、13日に米卸売物価指数(PPI)が発表される。このところインフレは落ち着いているので、これらの物価指標の伸び鈍化が順当に確認できれば、米国金利低下~米国株の反発といった流れとなって、日本株の追い風になるだろう。
FRBの今後の利上げスタンスに関する見解に注目
注意したいのがFRB(米連邦準備制度理事会)高官の講演だ。10日にはマイケル・バー副議長が、13日にはクリストファー・ウォラー理事が講演を行う。FRBが先週公開した6月13〜14日開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨によると、複数の参加者が利上げの継続を支持していた。FRBの今後の利上げスタンスに関する見解に注目が集まる。
日米企業の決算発表は序盤戦、一旦の調整は足場固め
国内では小売りを中心に3-5月期決算発表が本格化する。11日にローソン(2651)、12日にはABCマート(2670)、吉野家HD(9861)、13日にはファーストリテイリング(9983)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)などの決算発表が予定されている。
米国でも週末からJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー[JPM]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]などを皮切りに四半期決算シーズンが始まる。
日米とも企業業績に市場の関心が向かう時期となってきたが、まだ序盤戦だ。3月決算企業の発表は下旬から。月末にはFOMCと日銀金融政策決定会合も控える。今月の後半はイベントが目白押しなので、その前にいったん調整を済ませておくのは相場のリズムとして悪くない。したがって、今週は反発に転じるものと期待しているが、万が一、期待が外れ調整が長引いたとしても、それはそれで現行水準の足場固めと割り切って捉えればよい。
予想レンジは3万2000円~3万3500円とする。