【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,407.60  △285.18 (6/30)
NASDAQ: 13,787.92  △196.59 (6/30)

1.概況

先週末の米国市場は5月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが前月から鈍化したことでインフレへの警戒感が後退したことから上昇となりました。147ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に一日を通して上げ幅を広げると引け間際に344ドル高まで上昇し、結局285ドル高の34,407ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も196ポイント高の13,787ポイントと反発となりました。

2.経済指標等

6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は64.4と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。5月の米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想を上回りました。一方で米個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。米個人消費支出(PCE)物価指数で変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比4.6%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想を下回りました。6月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も41.5と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が2%近く上昇したほか、一般消費財・サービスと公益事業、ヘルスケア、コミュニケーション・サービスも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもアップル[AAPL]が買いの投資判断を受けて2%以上上昇し、時価総額が終値ベースで初めて3兆ドルを超えたほか、ウォルマート[WMT]も2%近く上げています。一方でナイキ[NKE]が決算で1株利益が市場予想に届かなかったことから2%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が高く、ネットフリックス[NFLX]が3%近く上昇し、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%近く上げました。また、半導体株も堅調でエヌビディア[NVDA]が3%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]も2%以上上げました。さらにクルーズ船のカーニバル[CCL]が投資判断の引き上げを受けて9%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は変わらずの3.84%となりました。ドル円は144円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に6月の日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)