【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,122.42  △269.76 (6/29)
NASDAQ: 13,591.33  ▼0.42 (6/29)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米連邦準備理事会(FRB)によるストレステストの結果を受けて銀行株に買いが入ったことなどから反発となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が安く3日ぶりに小幅反落となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は直後にマイナスに転じました。しかし、24ドル安で下げ渋ると切り返し大きく上げ幅を広げ、昼過ぎには295ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は伸び悩むと160ドル高余りまで上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと結局269ドル高の34,122ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も19ポイント高の4,396ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は0.4ポイント安の13,591ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万6000件減の23万9000件となり小幅な悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比2.0%増と改定値の1.3%増から大幅に上方修正され市場予想も上回りました。一方で5月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.7%低下の76.5となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、金融と素材、エネルギーが1%以上上昇しています。一方でコミュニケーション・サービスと生活必需品、公益事業の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

FRBが大手行のストレステストの結果を公表し、米国内で相対的に規模の大きい23行すべてが不況時にも規制上必要な自己資本を維持できるとの見解を示したことで大手金融株が買われました。ウェルズ・ファーゴ[WFC]が4%を超える上昇となったほか、JPモルガン・チェース[JPM]とゴールドマン・サックス[GS]も3%以上上げています。バンク・オブ・アメリカ[BAC]も2%余り上昇しました。また、セキュリティーソフトのブラックベリー[BB]が決算で売上高が市場予想を上回ったことなどから7%近く上げています。一方で半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー[MU]は中国による調達禁止措置の影響を懸念した売りで4%余り下落しています。さらに取引終了後に決算を発表したナイキ[NKE]は利益率の悪化を嫌気した売りが出て時間外で大幅安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は1-3月期の米実質GDP確定値が大幅に上方修正されたことなどから0.13%高い3.84%となりました。こうしたなかドル円は円安となり144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は米株価指数先物やドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)