米ドル/円 週間予想レンジ:138.00~141.00

メインストラテジー:レンジ取引

・高値は保ち合い
・頭はやや重め
・米ドルは全体的に軟調


 
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週値幅限定だったものの、再度陰線で大引けし、モメンタムの低下を示唆した。さらに、先々週に続き「インサイド」のサインを形成し、米ドル全体の反落と連動した傾向もあって、しばらくレンジ変動に留まる可能性を示唆している。

先々週はやや波乱し、週足では陰線で大引けしたものの、「スパイクロー」のサインを形成した。また138円半ばの支持を確認したところで、結局高値圏での保ち合いと解釈できるため、本来先週の高値更新があっても自然な成り行きであった。

もっとも、5月最終週に大幅続伸し、2022年11月以来の高値を更新、また140円の大台乗せに成功したところ、上値志向の強さを示した。140円大台乗せは、この前の米ドル全面高の流れもあってしばらく上値志向が強く、さらなる上値余地が拡大するとみていた。先週までの軟調は、想定よりモメンタムの低下を暗示しているため、レンジ変動の先行を覚悟している。

もっとも、3月安値からの上昇波は、週足において連続2週間陰線引けがなかったため、先週は陽線で大引けできるとみていた。なにしろ、この前波乱したことも重要なポイントだった。5月2日に一旦137円前半をトライしたものの、その後大幅反落し、133.50円の支持を確認した。米利上げ以降の米金利低下につられた形であった上、皮肉にも米デフォルト懸念が浮上してきたからこそ、上昇波の連続性に貢献できた。既述のように、米国債が売られて米金利の切り返しをもたらし、結果的に米ドルが買われる展開になった。米ドル/円は米ドル全体をリードする形の上昇となり、少なくとも5月いっぱいまで同じロジックが利いていたと思う。

そして、米デフォルト懸念が消えたところで、日本株の大幅上昇(日経株価指数は5月世界株式トップのパフォーマンスを達成)にリンクした円安の進行が確認され、またこれからも継続されていくと思われる。そのため、為替ヘッジ付きの日本株投資は、外資の視点からみれば円を売っておくのも当然の選択であり、本来上値トライに繋がるはずだった。

しかし、先週米金利の反落と連動した形で米ドル全体が反落し、米ドル/円の連動が鮮明化されたところで、これからやや頭が重くなるだろう。138円半ば~140円前半といったレンジをやや拡大させ、138~141円といったレンジに留まるのであれば、むしろ想定されやすいシナリオだろう。プライスアクション上のサイン、保ち合い相場においては「ダマシ」となる恐れが多いため、必要以上の解釈は避けたい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:93.50~96.50

メインストラテジー:押し目買い&高値追い

・上放れが再加速
・93円大台を維持
・95円大台乗せへ

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週大幅続伸し、上放れの基調を再確認、また再加速した。先週の続伸は、先々週の値動きを踏襲した側面が大きく、先々週のサインが効いてきたと言える。

なにしろ、先々週再度波乱したものの、高値で大引けし、ついに上放れのサインを灯した。同週92.51円の大引け自体は、これから高値を追う展開を示し、結果的にその成り行きが見られたわけだ。

そもそも先々週一旦90.25円へ突っ込み、その後急反転したため、週足では典型的な「スパイクロー」のサインを点灯し、「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。このようなサインの解釈を3月安値を起点とした上昇波の一環として行う場合、これからさらなる強気変動に繋がると思われるため、先週の続伸をその一環や途中とみている。

週足では、5月第1週の値幅に「包まれる」形で大きな「インサイド」のサインが形成されてきたが、先々週の反転で上放れを確認できたところも大きかった。言ってみれば、ついに上放れし、上値を追うモメンタムの強化が必至だったため、先週の続伸を当然の成りゆきと見ている。

その上、5月2日の罫線は典型的な「スパイクハイ」のサインだった。同サインの「否定」、即ち高値突破があれば、同サインを「ダマシ」的な存在とみなし、これからの一段上昇を暗示、強気変動の一環と解釈でき、先々週の上放れは大きな強気サインを点灯した分、先週の続伸はまだまだ途中とみている。

先週のコラムで解説した通り、93円関門の打診やブレイクがあっても単純に通過点に過ぎない。すでに94円関門のブレイクもみられたため95円関門はもちろん、97円台やその上の高値への道筋も示してくれたとみている。3月安値からの上昇波は「上昇トライアングル」とみなされ、また5月2日のサインがあっただけに、やっと上放れできたところでショート筋の総撤退やロング筋の追撃が先週の値動きをもって確認された以上、一段と上値を追いやすいとみている。

先週6月6日から、強気サインの連続点灯があって、95円関門の打診やブレイクが当然視される。そのため、今週も単純明快なスタンスで臨みたい。要するに、押し目があれば躊躇なく押し目を拾い、高値更新があれば高値を追っていく他ないだろう。