東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。37円安の31,196円で寄り付いた日経平均は直ぐにプラスに転じると取引開始から10分余りで141円高の31,374円まで上昇しましたが、伸び悩むと再び売りが優勢となり11時過ぎに169円安の31,064円まで下落しました。

しかし、下げ渋ると後場に入って買いが優勢となりました。14時20分前に141円高の31,374円と朝方に付けた高値とほぼ同水準まで再び上昇した日経平均は結局94円高の31,328円で取引を終え、昨日に続いて年初来高値を更新しています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

熊谷組(1861)が一時8.1%高となり年初来高値を更新しました。香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが株式を7.07%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになったことで大幅高となりました。

パソコン周辺機器大手のエレコム(6750)も一時4.2%高となり年初来高値を更新しました。理美容家電や調理家電などを企画・開発するテスコム電機グループの持株会社であるティーエスシーを買収すると発表し、通期の売上高の見通しを上方修正したことから買いが優勢となりました。ソフトウエア開発のACCESS(4813)も17.2%上昇しストップ高となりました。ソフトウエアの販売で新規顧客やリピート受注の獲得が順調だったことなどで第1四半期の営業損益が前年同期の7億円近い赤字から3億円を超す黒字に転換したことで買いを集めました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが日東紡績(3110)や神戸製鋼所(5406)で、日東紡績が目標株価の引き上げを受けて一時6.1%高となり年初来高値を更新し、神戸製鋼所も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時6.2%高となりました。

一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られたのが三菱ケミカルグループ(4188)や三井金属鉱業(5706)で、投資判断の引き下げを受けて三菱ケミカルグループが一時3.9%安となり、目標株価の引き下げを受けて三井金属鉱業も一時2.8%安となりました。さらにソフトバンクグループ(9984)も昨日に大幅高となった反動に加え、目標株価の引き下げもあり一時4.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は94円高となりました。昨日の米国市場が休場で新たな買い材料に乏しいなか25日移動平均線との乖離率が5%超まで広がっていたこともあり利益確定の売りが出て一時は170円近く下落する場面もありました。しかし、下げ渋り底堅さをみせると買いが優勢となり昨日に続いてバブル崩壊後の高値を更新しました。そのため小幅な上昇に止まったものの地合いの堅調さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の23時には5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)