東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。471円高の31,388円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で644円高の31,560円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと後場に入り12時50分には247円高の31,164円まで上げ幅を縮めました。

しかし、その後持ち直すと結局317円高の31,233円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

大手商社株が目標株価の引き上げを受けて大幅高となりました。伊藤忠商事(8001)が一時3.9%高、丸紅(8002)が一時4.5%高、三井物産(8031)が一時4.6%高、住友商事(8053)が一時4.7%高、三菱商事(8058)も一時4.3%高となり、揃って上場来高値を更新しています。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けてDMG森精機(6141)や三菱重工業(7011)が年初来高値を更新しました。DMG森精機が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.3%高となり、三菱重工業も目標株価の引き上げを受けて一時3.6%高となりました。

ソフトバンクグループ(9984)も8.2%高となりました。傘下の通信会社ソフトバンク(9434)が生成人工知能(AI)と高速通信規格の「5G」、「6G」に向けたデータセンター構築で米半導体大手のエヌビディア(NVDA)と協業すると発表したことで買いを集めました。キヤノン(7751)も一時2.2%高となり年初来高値を更新しました。レアメタル(希少金属)を使わない有機ELパネル素材を開発し、2020年代半ばに量産技術を確立するとみられると伝わったことを材料視した買いが入りました。

一方で東証スタンダード市場では極楽湯ホールディングス(2340)が14.8%安となりました。第三者割当増資で約19億円を調達すると発表したことで増資による株式価値の希薄化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は317円高となりました。先週末の米国市場が米債務上限問題の進展を期待した買いで上昇したことに加え、バイデン米大統領と米連邦議会のマッカーシー下院議長が米政府債務の法定上限を引き上げることで基本合意したと伝わったことから大幅高となり、22日に付けたバブル崩壊後の高値(31,086円)を更新しました。

一時は640円以上上げ、節目の31,500円を上回りましたが、25日移動平均線との乖離率が再び5%を超えてきたこともあり朝方の買い一巡後に伸び悩むと31,500円を下回り上げ幅を縮めました。そのため今週は短期的な過熱感が意識されやすいなかで31,500円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)