東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は8日続伸となりました。72円安の30,735円で寄り付いた日経平均は直後に119円安の30,689円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと先週末の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり25円高の30,833円で前場を終えました。
買いが優勢となり33円高の30,842円でスタートした後場の日経平均は大きく上げ幅を広げると278円高の31,086円で取引を終え高値引けとなり年初来高値を更新しています。こうしたなかで新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
本決算を発表した東京海上ホールディングス(8766)が一時5.8%高となり上場来高値を更新しました。新型コロナウイルスの影響が一巡し保険金支払いの負担が軽減することなどから2024年3月期の経常利益が前期比で48.8%増となる見通しを示し市場予想を上回ったことに加え、発行済み株式総数の1.5%にあたる3000万株、500億円を上限とする自社株買いを発表したこともあり大幅高となりました。
また、MS&ADインシュアランスグループ ホールディングス(8725)も市場予想を上回る2024年3月期の経常利益の見通しと自社株買いを発表したことから一時3.1%高となり上場来高値を更新しています。
フジクラ(5803)も一時7.8%高となり年初来高値を更新しました。成長市場である核心的3分野に重点投資することなどで2026年3月期の営業利益の目標を2023年3月期比で22%増の850億円とする中期経営計画を発表したことを評価した買いが入りました。
アドバンテスト(6857)も一時3.3%高となりました。10月1日付で株式1株を4株に分割すると発表したことで投資家層の拡大や流動性向上を期待した買いが優勢となりました。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて鹿島建設(1812)や大阪瓦斯(9532)が高く、投資判断と目標株価の引き上げを受けて鹿島建設が一時2.5%高となり年初来高値を更新し、目標株価の引き上げを受けて大阪瓦斯も一時2.2%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は278円高となりました。米債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議が難航していると伝わり先週末の米国市場が反落となったことで売りが先行しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると買いが優勢となり後場に入って上げ幅を広げ節目の31,000円を1990年7月以来およそ33年ぶりに回復しました。
新たな買い材料に乏しく短期的な過熱感があるなかで続伸となり高値引けとなったことから地合いの堅調さが強く意識されそうで先高期待が一段と高まりそうです。しかし、その一方で8日間で2,000円近く上げるなど上昇スピードが速いだけに高値警戒感も出てきそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)