東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安と米国株高を受けて7日続伸となりました。273円高の30,847円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で350円高の30,924円まで上昇した後伸び悩むと9時20分前に105円高の30,679円まで上げ幅を縮めました。しかし、そこから切り返すと後場寄り直後には333円高の30,907円まで再び上げ幅を広げました。その後伸び悩みましたが、30,800円を挟んでもみ合うと結局234円高の30,808円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

パナソニック ホールディングス(6752)が一時5.9%高となり年初来高値を更新しました。経営戦略説明会で2030年度の車載電池の生産能力を2022年度比で約4倍に伸ばす計画を示したことを評価した買いが入りました。丸紅(8002)も一時2.8%高となり上場来高値を更新しました。丸紅や住友商事(8053)など日本企業が英国で洋上風力発電などに計177億ポンド(約3兆円)を投資する計画だと伝わったことを材料視した買いが入りました。

リコー(7752)も一時8.2%高となりました。東芝(6502)とオフィス向け複合機やコピー機など事務機の生産部門を統合し、生産や設計、開発機能を集約した統合新会社を2024年に立ち上げると伝わったことで構造転換に伴う収益改善を期待した買いが入りました。

エムスリー(2413)も一時3.9%高となりました。連結子会社のシーユーシーの東証グロース市場への新規上場が承認されたことを好感した買いが入りました。インターネットイニシアティブ(3774)も一時3.9%高となりました。KDDI(9433)と資本業務提携すると発表したことから提携による相乗効果を期待した買いが入りました。

フジ・メディア・ホールディングス(4676)も一時4.9%高となり年初来高値を更新しました。自己株式を除く発行済株式総数の4.4%にあたる1000万株、100億円を上限とする自社株買いを発表したことから大幅高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は234円高となりました。138円台後半まで進んだ円安に加え、昨日の米国市場が米債務上限問題への懸念が後退し続伸となったことから買いが優勢となり、1990年8月以来およそ33年ぶりの高値を付け2021年9月14日に付けたバブル崩壊後の戻り高値(30,670円)を上回りました。

そのため先高期待が一段と高まりそうですが、7日間で1,700円近く上げ、25日移動平均線との乖離率も6.1%まで広がるなど短期的な過熱感があるなかで来週も堅調さを維持しさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も本日でほぼ終了となりますが、引け後には東京海上ホールディングス(8766)などの大手損保が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時45分にはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演を行うほか、20日午前0時にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が討論会に参加する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)