東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日続伸となりました。69円高の29,912円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げるとまもなくして30,000円の大台を回復し、11時前に217円高の30,060円まで上昇し196円高の30,039円で前場を終えました。
さらに上げ幅を広げ246円高の30,089円でスタートした後場の日経平均は14時30分前に272円高の30,115円まで上昇し高値を付けるとその後も高値圏で推移し結局250円高の30,093円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
岸田首相が海外の大手半導体メーカーの首脳らと面会し国内への積極的な投資や日本企業との連携を要請することがわかったと伝わったことから半導体製造装置関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)とSCREENホールディングス(7735)が一時4.3%高、レーザーテック(6920)が一時4.8%高、アドバンテスト(6857)も一時4.0%高となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングス、アドバンテストは年初来高値を更新しています。
本決算を発表した光通信(9435)も8.9%高となりました。保険や宅配水事業で増益が続くと見込まれることから2024年3月期の営業利益が前期比で7.4%増の930億円となり前期に続き最高益を更新する見通しを示したことから買いを集めました。
大日本印刷(7912)も一時3.1%高となりました。リクルート(6098)の自社株TOB(株式公開買い付け)に応募して保有するリクルート株の一部を売却し、有価証券売却益を計上することから通期の純利益の見通しを660億円から880億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。
調剤薬局大手のクオールホールディングス(3034)も一時25.6%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。第一三共(4568)の後発医薬品子会社の第一三共エスファを子会社化すると発表したことで収益力向上を期待した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は250円高となりました。ドル円が円安となるなか4日続伸となった昨日までの堅調な地合いを引き継いで買いが優勢となりました。また、寄り付き前の8時50分に発表となった1-3月期の実質国内総生産(GDP)が3四半期ぶりにプラス成長となり市場予想を上回ったことから上げ幅を広げ30,000円の大台を2021年9月28日以来1年8ヶ月ぶりに回復しました。
そのため達成感で一旦は上値が重くなりそうですが、こうしたなかでさらに水準を切り上げ2021年9月14日に付けたバブル崩壊後の戻り高値(30,670円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には4月の米住宅着工件数が発表されるほか、17日の米国ではシスコシステムズ(CSCO)の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)