97%と云っても、敢えて3%の抜け感を作った写真のことでも、アメリカ国債の値段でもありません。97%はアルゼンチンの政策金利です。アルゼンチン中央銀行は昨日、政策金利を6%引き上げて、年率97%にすると発表しました。全く見当の付かない、別世界の話のようです。
良く冗談で、アルゼンチンではバーでビールを飲んでいる間にビールの値段が上がるなどと云われますが、実際はどうなのでしょう?先週発表された消費者物価指数は、前年同月比で+109%。ほぼ政策金利と一緒です。仮に年率インフレ率を100%とすると、一日で物価はいくら上がるでしょうか?2の365分の1乗ですね。答えは 1.002。即ち、100円のモノが一日で 100.2円になる計算です。一ヶ月では 106円になります。
国内インフレ率よりも、為替の下落の方が大きい問題でしょうか。何故アルゼンチンペソが昔から脆弱か。それは国民がせっせと海外に自分のお金を持ち出すからです。アメリカで銀行から預金を下ろす行為が速くて大きくて、当該銀行の株価が暴落し、いずれ破綻した現象の国家版とでもいいましょうか。
日本では、銀行からも預金は引き出されないし、海外への資本の逃避もほとんど起きません。呑気と云えば呑気ですが、それが日本の強みでもあります。我が国は、その強みをもっと活かすべきですね。