【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,301.87 ▼228.96 (4/26)
NASDAQ: 11,854.35 △55.19 (4/26)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は大規模な預金流出があったことが明らかとなった地銀のファースト・リパブリック・バンク(FRC)が大手行への追加支援要請や新株発行を検討していると伝わり経営不安が再燃したことが重石となり続落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで3日ぶりに反発しました。65ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくしてマイナスに転じ170ドル安程度まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し昼過ぎにプラスとなりました。しかし、30ドル高程度で上値が押さえられると再びマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は228ドル安の33,301ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も15ポイント安の4,055ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は55ポイント高の11,854ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米耐久財受注額は前月比3.2%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、公益事業が2%を超える下落となったほか、資本財・サービスも2%近く下げました、また、ヘルスケアとエネルギー、素材も1%以上下落しています。一方で情報技術が2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回ったマイクロソフト(MSFT)が7%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、半導体株が堅調でマイクロン・テクノロジー(MU)が5%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とエヌビディア(NVDA)も2%以上上昇しています。さらに取引終了後に決算を発表したフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)は売上高が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。一方でテスラ(TSLA)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて4%を上回る下落となりました。経営不安が再燃したファースト・リパブリック・バンクは前日に続いて急落し30%近く下げています。大手金融株にも売りが波及し、シティーグループ(C)とウェルズ・ファーゴ(WFC)が2%を超える下落となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い3.45%となりました。ドル円は133円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)