東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は9日ぶりに反落となりました。38円安の28,619円で寄り付いた日経平均は下げ渋るとまもなくしてプラスに転じましたが、18円高の28,677円で伸び悩むと再びマイナスとなり下げ幅を三桁に広げ10時30分過ぎに127円安の28,531円まで下落しました。しかし、節目の28,500円を前に下げ渋り下げ幅を縮めると結局52円安の28,606円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

ディスコ(6146)が一時3.9%高となりました。電気自動車市場などの拡大を受け電力の制御に不可欠なパワー半導体向けの製造装置の出荷が伸びたことなどから2023年3月期の営業利益が前の期に比べて2割近く増加し、初めて1000億円を超える見通しとなったと伝わったことから買いが優勢となりました。NIPPON EXPRESSホールディングス(9147)も一時2.6高となりました。傘下の日本通運がオーストリアの物流会社カーゴ・パートナー買収に向けて交渉中と伝わったことを材料視した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて半導体設計のソシオネクスト(6526)やコンクリート補修大手のショーボンドホールディングス(1414)が高く、ソシオネクストが4.7%高となり年初来高値を更新しましたほか、ショーボンドホールディングスも3.2%高となりました。

さらに東証スタンダード市場では酒類販売店を展開するカクヤスグループ(7686)が一時23.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス感染症の5類への移行決定等を受けて酒類需要の増加が予想を上回る見通しとなったことなどで2023年3月期の業績予想を上方修正したことから買いを集めました。一方でLIXIL(5938)が3.4%安となりました。インフレの長期化で国内の新築住宅需要が減り、窓サッシや外構部材などの販売が計画より落ち込んだことなどで2023年3月期の業績予想を下方修正したことから大幅安となりました。日本高純度化学(4973)も一時2.8%安となりました。スマホやPCなどの需要減およびメモリー等の在庫調整が計画以上に長期化していることなどで2023年3月期の業績予想を引き下げたことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は52円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料に乏しいなかで利益確定の売りに押されて下落となりました。しかし、昨日までの8日間で1,200円近くも上げていたことからすると当然の上昇一服で、小幅な下げに止まり節目の28,500円を前に下げ渋ったことから堅調な地合いは維持しているといえそうです。なお、引け後には3月の訪日外国人客数が発表されるほか、日本時間の20日午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、19日の米国ではモルガン・スタンレー(MS)やIBM(IBM)、テスラ(TSLA)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)