先週、金融業界で注目のニュースというとマネックス証券によるコインチェックの買収がありました。これまでもこのコラムで何度も取り上げてきた仮想通貨ですが、法整備、きちんとしたインフラがない状況では投機であり、リスクが高すぎる旨書いてきました。その「きちんとした」裏付けにもなるのが、今回のような大手証券による参入で、黎明期にある仮想通貨業界が淘汰、整備・発展していく期待があります。

 

これとよく似た発展を思い出されるのがFXです。為替自体はプロの投資家がしのぎを削る市場が既にあり、それを個人向けにアレンジした形で個人投資家の前に登場しました。しかしながら、当初は、レバレッジは際限なく大きくでき、スプレッドも広く、純粋に個人投資家が投資するための土俵というよりは、雨後の筍のように乱立した「FX業者」が荒稼ぎするための市場とも言えそうなものでした。泣いた個人投資家も多く、当初はプロの為替市場とは別物の投機の場という見方もされたものです。

それが、大手証券会社が参入し、法整備もされ、怪しげな業者が淘汰されることによって、安心して投資できる場となり、個人投資家が増えて市場もまともに機能、それどころか今やプロも個人投資家の動きを注目しないことには相場が読めないところまできています。

通貨としての裏付けのない仮想通貨が、そうした整備によってどこまで安心して投資できる対象になっていくのか、注目ですね。

 

話は全く変わりますが、週末に高校時代のクラス会がありました。女子高だったのですが、男勝りの集団であるため、世間一般の同世代女性の既婚・非婚、子どもの有無、仕事の有無等の比率からはかなり乖離した数字になると思われます。そのため同じ年の女性の集団でありながら、なかなかステレオタイプの生き方はしておらず、話を聞いていても興味深いものでした。

 

子どもの教育費の高さも話題になりました。塾や家庭教師代、受験費用に入学金等々。優秀な子であればあるほど、長期にわたりお金がかかるという話も。

これから子どもをもつ、もしくは学齢期にさしかかる20~30代のサラリーマンは入社以降の基本給の上昇カーブが緩く、なかなか収入が増えにくい傾向がありました。共働きが増えていても、そうした教育費の支出はますます大きなものになってきています。無計画に子育てをしていくとそのしわ寄せは大きくなり、子ども自身を直撃することにもなります。子どもにかかるお金については、特に時期が明確ですし、長期にわたって準備しておくことが大切ですね。

 

人生何があるかわからない、を体現しているような猛者な女性たちとの楽しい会話を通じて、FPとしても興味深く、あらためて、どんな時にも味方になりえる、そして安心材料になりえる経済的基盤=お金を自身できちんと持ち、コントロールすることの意味の大きさを感じた次第です。

 

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員