あっという間に3月です。相場は落ち着かないままです。上昇スピードが速いと、調整も大きく、繰り返すのは一般的。とはいえ、不安は感じますね。

 

さて先日、老後資金についてのネットのインタビュー記事を興味深く読みました。コメントが色々と書き込んであり、実を言いますとそちらの方に興味を持ちました。

よく「65歳までに〇千万円の貯蓄(「専門家」によって金額は異なります!)をしよう!そうしなければ老後破綻だ」というような強烈なタイトルを目にします。

私見は後述しますが、そのインタビューでは、以下のような内容でした。

 

・高齢化社会において現役時代が伸び、65歳以降も働き続けることによる継続的な収入を得られる。

・投資を続けて、お金を循環させることができれば65歳時点で貯蓄が少なくとも大丈夫。そうした貯蓄目標は今後あまり意味をもたない。

 

それ以上のことをインタビュー中に語っていなかったのか、記事として掲載できる制限があったのか、もちろん分かりませんが、上記内容について、個人的には条件が付けば賛成です。その点について、書き込まれたコメントにも同様のものが散見されました。

 

・65歳以降に心身ともに健康である

高齢になれば、身体に不調を感じることも増えます。働くどころか入院や病院通いなど、思いがけずに医療費がかさむことも。

 

・現役で働きたいという意欲がある

リタイアを心待ちにし、第二の人生を楽しんで暮らしたい!という方もいます。

 

・長期に渡る大不況(失われた20年の再来)などがない

これこそ、相場のことは誰にも言い切れません。65歳以降となれば投資期間もそのリターンを利用したい期間も若年層よりどうしても短くなることを考慮して。

 

特に3つ目については現在も不安要素のある市場を考えれば、相場の乱高下の犠牲になり得ることは想像に難くありません。たとえ分散投資をしていても全敗続きということも過去にはあります。退職金を全額投資して愕然としている高齢投資家の話はたくさん耳にしました。

 

高齢者が投資をすることには、むしろ賛成です。投資の勉強をし、生活資金に手を付けることなく資産を増やす機会を得る、お小遣い稼ぎをできるのであれば、頭の体操にもなり一石二鳥でしょう。ただし、「生活資金に手を付けることなく」という部分はとても大切なことです。高齢になれば、それだけリスクを取り過ぎてはいけないと思います。取り返す手段としての十分な収入がない方が多くなりますので。

 

そのためにも、確定収入があるうち(年齢は人によります)にある一定の老後資金目標はやはり持つ方が良いと個人的には考えます。その金額はその人の他の財産(不動産等)や生活スタイルによって変わってくると思うのです。一概に〇○千万円ではなく、個々人のライフプランによって異なるので、自分自身で設定していく、随時見直していくことが一番確かなのではないでしょうか。

 

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナーCFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員