東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。140円高の27,658円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で219円高の27,737円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時30分過ぎに78円高の27,597円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後やや持ち直し27,600円台で推移すると結局115円高の27,633円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

任天堂(7974)が4.0%高となりました。米国で5日から公開された映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のオープニング興行収入が約1億4600万ドルとなり、週末の全米興行収入ランキングで首位となったと伝わったことで大幅高となりました。ドトール・日レスホールディングス(3087)も一時4.0%高となりました。経済活動の再開で売上高が計画を上回ったことや、コスト削減が順調に進んだこともあり2023年2月期の業績予想を上方修正したことで買いが優勢となりました。

本決算を発表した建設機材のレンタルなどを手掛けるワキタ(8125)も6.6%高となり年初来高値を更新しました。2024年2月期の営業利益が前期比で11%増となる見通しを示したことや、発行済み株式総数の4.18%にあたる210万株、25億円を上限とする自社株買いを発表したこともあり買いを集めました。

また、経済産業省が国内の生産体制を拡充するため航空機向けでチタン合金やニッケル合金を使った大型鍛造品の設備投資を最大で半額支援すると伝わったことで大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)や東邦チタニウム(5727)が高く、大阪チタニウムテクノロジーズが一時8.4%高となり、東邦チタニウムも一時6.1%高となりました。

一方で第1四半期決算を発表したテレビ向けのディスプレー表示素材などを手掛ける大阪有機化学工業(4187)が5.5%安となりました。主力の電子材料事業で半導体製造に必要なレジスト用原料となるモノマーの販売が伸び悩んだことなどから2023年11月期の業績予想を下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は115円高となりました。先週末の米国市場はグッドフライデー(聖金曜日)で休場でしたが、3月の米雇用統計で雇用者数の伸びがほぼ市場予想通りだったことで景気減速懸念が後退し米株価指数先物が上昇したことから買いが優勢となりました。しかし、25日移動平均線(27,728円)をわずかに上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮めました。そのため25日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が先週からスタートしています。本日も引け後にはウエルシアホールディングス(3141)やライフコーポレーション(8194)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)