【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,819.14  ▼90.50 (3/13)
NASDAQ: 11,188.84  △49.96 (3/13)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。シリコンバレーバンクに続いてシグネチャー・バンク(SBNY)も経営破綻するなど銀行の破綻が相次いだことで銀行株を中心に売りが出てダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株の一角が買われたことでナスダック総合株価指数は反発しました。89ドル安でスタートしたダウ平均は直後に284ドル安まで下落した後切り返すとプラスに転じ昼過ぎに330ドル高まで上昇しました。

しかし、その後伸び悩むと引けにかけて売りが優勢となり結局90ドル安31,819ドルで取引を終え5日続落となりました。また、S&P500株価指数も5ポイント安の3,855ポイントと3日続落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は49ポイント高の11,188ポイントと3日ぶりに反発しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、不動産と公益事業が1%を超える上昇となり、ヘルスケアも1%近く上げました。一方で4業種が下げ、金融が4%近く下落し、エネルギーも2%近く下げました。素材も1%余り下落しています。

4.個別銘柄動向

銀行の破綻が相次いだことで銀行株が売られました。USバンコープ(USB)が10%安となったほか、シティーグループ(C)とウェルズ・ファーゴ(WFC)も7%以上下げました。バンク・オブ・アメリカ(BAC)も5%を超える下落となり、ゴールドマン・サックス(GS)も3%以上下げました。

また、中堅銀行のファースト・リパブリック・バンク(FRC)やウェスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)、パックウェスト・バンコープ(PACW)などが急落し、ファースト・リパブリック・バンクが62%近く下落し、ウェスタン・アライアンス・バンコープも47%余り下げました。パックウェスト・バンコープも21%余り下落しています。

一方で長期金利の低下を受けてハイテク株の一角が高く、マイクロソフト(MSFT)が2%余り上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%近く上昇しました。さらに製薬のイーライ・リリー(LLY)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は銀行の相次ぐ経営破綻を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まるなか相対的に安全資産である米国債が買われ0.13%低い3.57%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ133円台前半で推移しています。一時132円台前半まで円高が進む場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり買い材料になりにくいなかドル円が円高となっていることもあり下落してのスタートが予想されます。米消費者物価指数(CPI)の発表を夜に控え様子見になりやすいなかで日経平均が節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)