東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、3日続落となりました。前日の米国株式市場でダウ平均、S&P500株価指数が軟調に推移した流れを引き継ぎ、前日比14円安の38,397円で寄り付きました。
前場は、一進一退で推移しました。一時は約100円高となる38,514円まで上げるも、その後は続かず、段々と水準を切り下げ前場は111円安の38,300円で取引を終えました。
後場に入ると、早々に下げ幅を拡大し、一時400円超安の37,987円まで下げる場面が見られました。その後はドル円相場が152円まで円安基調で推移したことなどから自動車等の輸送用機器セクターが支え、下げ幅を縮小し最終的には、307円安の38,104円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が続落、1.8%安となりました。
2.個別銘柄等
本日より上場となった東京地下鉄(9023)は1,739円で取引を終えました。初値は公開価格(1,200円)を35.8%上回る1,630円で、一時138円高の1,768円まで上げる場面も見られました。今期の配当は1株当たり40円(本日終値ベースでは、配当利回りは2.3%)が予定され、公共性の高い地下鉄事業を柱とすることから、連続配当性向40%以上の分配を目指す安定配当を目指すとされています。売買代金は本日の東証プライムのトップで、時価総額も1兆円を超えて引けており、注目度の高さを示しました。
アクティビストの保有が明らかになった銘柄の上昇が目立ちました。東京建物(8804)は、前日比141.5円(6.1%)高の2,463円をつけ、4日ぶりに反発となりました。英パリサー・キャピタルが約70億円に相当する1.5%を保有していることがわかり、同社への政策保有株の売却等を求めていくとされています。
コニカミノルタ(4902)は、前日比53.8円(11.2%)高の533.3円をつけ、大幅反発となりました。エフィッシモ・キャピタル・マネジメントが同社株の5.81%の株式を取得していたことが明らかとなり、同社への積極的な提案が期待されたことから買いを呼びました。
ネガティブなニュースを受けて、2銘柄が下落しました。日本取引所グループ(8697)は前日比、一時34円(1.9%)安の1,756円をつけ、3日続落となりました。東京証券取引所の職員がインサイダー取引容疑で強制捜査を受けていたとの報道を受けて、業績への影響は軽度と見られていますが、信頼性を損なったとし売りが膨らみました。
日本マクドナルドホールディングス(2702)は、一時は前日比(3%)安の6,360円まで下げ、6日続落となりました。米国マクドナルドのハンバーガーを原因とした食中毒が発生したと報じられ、日本でもイメージダウンや客足鈍化等のリスクが懸念され売られる形となりました。
ブックオフグループホールディングス(9278)は前日比、一時160円(12.2%)高の1,474円をつけ、大幅高となりました。10月22日の今期第1四半期決算にて、営業利益が前年同期比2.7倍の11億円となったことが好感され買いが集まりました。第1四半期の同コンセンサスは6.6億円であり、市場予想を大幅に超えた内容から、通期業績の上振れ期待も株価を支えました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、続落となりました。日米の選挙を控え、リスクの取りづらい1日となりました。
明日に向けて、日本市場では本日の大引け後に予定されているニデック(6594)の決算に注目が集まります。事前の会社予想では上期の営業利益が1,150億円とされ、前年同期比とほぼ同水準となることがガイダンスされています。同社を皮切りに、2025年3月期の決算銘柄が続いていくことから、サプライズがあるかに注目です。
また、米国でもボーイング[BA]、コカ・コーラ[KO]、IBM[IBM]、ラム・リサーチ[LRCX]、テスラ[TSLA]等の注目銘柄の決算が控えています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)