10日連続の陰線が発生!200日移動平均線上で下げ止まるか注目

前回のコラムから5営業日が経過しましたが、注意するよう解説した通りの展開になっています。

まずはもち合いの下放れです。日経平均で発生したもち合いは、8月16日と9月27日のそれぞれの終値を結んだレジスタンスラインと、8月5日の終値と9月11日の終値を結んだサポートラインで囲まれた形です。また、安値を切り上げ、高値も切り上下げているところがその特徴でした。

このもち合いを10月17日に下放れると、そのあと数日小動きとなりましたが、22日には下げ幅が一気に拡大して、ついに75日や200日移動平均線に接近する水準まで下落しているのが分かります。

さらに、10月8日から22日まで、10日連続で陰線(始値より終値が安い)を形成し、売り圧力が強いことも分かります。

このように、売り圧力が強いなかでウエッジ型のもち合いを下放れたことから、22日には下落が加速し、これも前回このコラムで指摘した通りの展開と言えるのではないでしょうか。

では今後の展開についてはどう考えれば良いのでしょうか。

ウエッジ型のもち合いを下放れていることから、下落の継続に警戒する必要があると思われます。そこで注目されるのが上向きの200日移動平均線です。200日移動平均線は、およそ1年間の終値の平均価格なので、この移動平均線上を維持できれば、損益状況の悪化が回避されるとともに長期の上昇トレンドが継続することになり、終値で4万円台を回復することも期待されます。

一方で、200日移動平均線を下回って戻せなくなったり、10日連続で発生した陰線の水準が上値の抵抗になって、引き続き株価が押し返されたりするような場合、下落が継続して株価水準が切り下がることが視野に入ると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの低下が継続した場合は要注意

続いて上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きに変化しています。また、モメンタムは上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っています。

こうした状況から、2本線の低下が続くかが注目ポイントです。仮に2本線の低下が続く場合、下落の勢いが強まり、株価も200日移動平均線を割り込んでしまうことが考えられ、本格的な下降トレンドの発生に警戒が必要になります。

一方、2本線が低下しても限定的だったり、2本線が上向きに変化して上昇したりするようなら、200日移動平均線上を維持して下向きの5日移動平均線を上回り、反発に向かうことも視野に入るのではないかと思われます。

今週の10月27日には衆議院選挙がありますが、選挙後に株価が回復に向かうのか、選挙結果も含めて目が離せない1週間になりそうです。