【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,003.57  △341.73 (3/2)
NASDAQ: 11,462.98  △83.50 (3/2)

1.概況

米国市場はアトランタ連銀のボスティック総裁が今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを支持する姿勢を示したことから利上げペースが加速することへの警戒感が後退し上昇しました。119ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に180ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、アトランタ連銀総裁の発言を受けて取引終盤に一段高になると一時は421ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局341ドル高の33,003ドルで取引を終え続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も83ポイント高の11,462ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の19万件と悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で2022年10-12月期の米労働生産性指数改定値は前期比1.7%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ公益事業が2%近く上昇したほか、情報技術と不動産、生活必需品、素材、資本財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%以上上げました。一方で金融と一般消費財・サービスの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでも市場予想を上回る決算を発表したことで目標株価の引き上げが相次いだセールスフォース(CRM)が11%超上昇しました。また、インテル(INTC)も3%以上上げ、独空運大手のルフトハンザ航空からの受注が伝わったボーイング(BA)も2%を超える上昇となりました。一方でJPモルガン・チェース(JPM)が1%安となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ(TSLA)が投資家向け説明会で市場が注目していた廉価版の電気自動車について具体的な発表がなかったことから6%近く下げました。ビッグデータの管理・分析サービスを提供するスノーフレイク(SNOW)も2-4月期の製品売上高見通しが市場予想に届かなかったことで12%を超える下落となっています。百貨店大手メーシーズ(M)は決算が市場予想を上回ったことで11%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は米新規失業保険申請件数が市場予想に反して改善するなど強い雇用指標を受け0.07%高い4.06%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ136円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,500円を超えて上げ幅を広げそうですが、朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)