東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。511円安の36,536円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で688円安の36,359円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと10時40分前にプラスに転じました。

しかし、上値は重く52円高の37,099円で伸び悩むと再びマイナスに転じ、後場に入り13時50分前には611円安の36,436円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局390円安の36,657円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

野村総合研究所(4307)が一時5.4%高となり上場来高値を更新しました。日本経済新聞社が日経平均の構成銘柄の定期見直しで、野村総合研究所を新たに採用すると発表したことで大幅高となりました。

同じく日経平均の構成銘柄に新たに採用となった良品計画(7453)も一時1.2%高となる場面がありましたが、伸び悩むとマイナスに転じ3.6%安で取引を終えています。

また、日経平均の構成銘柄から除外となるとの予想が一部にあった三菱倉庫(9301)は、予想に反して除外とならなかったことで買い戻しが入り一時6.3%高となっています。

オンワードホールディングス(8016)も一時2.7%高となりました。平年より気温が高く推移したことから、接触冷感やUVケアなどの機能性素材を使用したカットソーやニット、ワンピースなどの実需アイテムの販売が好調に推移したことなどにより8月の既存店売上高が前年同月比8.0%増となったことで買いが優勢となりました。

13時に上期決算を発表した積水ハウス(1928)も一時3.6%高となりました。米住宅事業が好調に推移したほか、国内でも戸建てや賃貸住宅管理、リフォーム事業などが伸びたことなどにより3000億円とみていた2025年1月期の営業利益の見通しを3200億円に上方修正したことで決算発表後に上げ幅を広げました。

「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)も一時5.8%高となり年初来高値を更新しました。ドル円が円高に振れるなか輸入コストの改善を期待した買いが入りました。

さらに目標株価の引き上げを受けてSANKYO(6417)やセガサミーホールディングス(6460)が高く、SANKYOが一時5.7%高となり上場来高値を更新したほか、セガサミーホールディングスも一時6.5%高となり年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は390円安となりました。ドル円が143円台前半まで円高に振れたことを受けて売りが優勢となりました。昨日に今年3番目の下げ幅を記録していたこともあって押し目買いが入りプラスとなる場面もありましたが、25日移動平均線(37,017円)を小幅に上回ったところで伸び悩むと売りが優勢となりました。そのため25日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうで、二番底への警戒感が一段と強まりそうです。

なお、日本時間の21時15分に8月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、21時30分に米新規失業保険申請件数と4-6月期の米労働生産性指数が、そして23時には8月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。また、5日の米国では半導体のブロードコム[AVGO]が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)