【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,153.91  △108.82 (2/23)
NASDAQ: 11,590.40  △83.33 (2/23)

1.概況

22日の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は利上げ継続を警戒した売りで続落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に買い戻しが入り反発しました。39ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくしてマイナスに転じましたが、65ドル安程度で下げ渋ると再びプラスとなり午後に入って116ドル高まで上昇しました。しかし、伸び悩むと取引終盤にマイナスに転じ181ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局84ドル安の33,045ドルで取引を終え続落となりました。また、S&P500株価指数も6ポイント安の3,991ポイントとなり4日続落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は14ポイント高の11,507ポイントと4日ぶりに反発となっています。

昨日の米国市場は自律反発を見込んだ買いが入り上昇となりました。130ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に227ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎに249ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと取引終盤にプラスとなり結局108ドル高の33,153ドルで取引を終え3日ぶりに反発となっています。また、S&P500株価指数も21ポイント高の4,012ポイントと5日ぶりに反発となったほか、ナスダック総合株価指数も83ポイント高の11,590ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

22日に公表された1月31日-2月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では多くの参加者が0.25%の利上げで合意していたものの数人の参加者が前回と同じ0.5%の利上げ継続を望んでいたことが分かりました。また、全ての参加者が政策金利の継続的な引き上げを支持していることが明らかとなりました。
昨日発表された2022年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比2.7%増と速報値の2.9%増から下方修正され市場予想も下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件減の19万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。

3.業種別動向

22日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産やエネルギー、公益事業などの9業種が下げ、不動産は1%安となりました。一方で素材と一般消費財・サービスの2業種が上げています。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、情報技術とエネルギーが1%を超える上昇となり、不動産も1%近く上げました。一方でコミュニケーション・サービスや公益事業などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

22日の米国市場でダウ平均構成銘柄はインテル(INTC)とウォルマート(WMT)が2%以上下げ、キャタピラー(CAT)も1%余り下落しました。ナイキ(NKE)も1%近く下げています。一方でセールスフォース(CRM)が1%余り上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、通信計測機器のキーサイト・テクノロジーズ(KEYS)が決算で2-4月期の見通しが市場予想に届かなかったことで急落し12%を上回る下落となっています。

昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)とマイクロソフト(MSFT)、ボーイング(BA)、ホーム・デポ(HD)が1%以上上げ、シェブロン(CVX)も1%近く上昇しました。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が2%近く下げ、ウォルマート(WMT)も1%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算と2-4月期の業績見通しが市場予想を上回った画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が14%高となったほか、エヌビディアの急伸を受けて他の半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が4%余り上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%以上上昇しています。ネットフリックス(NFLX)は30カ国以上で利用料金を引き下げたと伝わったことで3%を超える下落となり、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことで6%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

22日の長期金利は0.04%低い3.91%となりました。昨日の長期金利は0.03%低い3.88%となりました。ドル円は134円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が反発し、ナスダック総合株価指数が続伸となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は午前中に衆議院で次期日銀総裁候補である植田和男氏の所信聴取と質疑が予定されています。発言を受けてマーケットが大きく動く可能性もあることから注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)