東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて大幅続落となりました。207円安の27,265円で寄り付いた日経平均は直後に172円安の27,300円を付けた後下げ幅を広げると10時50分過ぎに427円安の27,046円まで下落しましたが、節目の27,000円を前に下げ渋るとやや持ち直し358円安の27,114円で前場を終えました。364円安の27,108円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに341円安の27,131円を付けた後14時30分前に383円安の27,089円を付けるなど27,100円を挟んで小幅にもみ合うと結局368円安の27,104円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

ゆうちょ銀行(7182)が6.5%安となりました。日本郵政(6178)が傘下のゆうちょ銀行株を売却する方向で調整に入ったことが分かったと伝わったことで需給悪化を警戒した売りが出ました。東京瓦斯(9531)も6.4%安となりました。5割程度としていた総還元性向(連結当期純利益に対する配当と自社株式取得の割合)を4割程度に引き下げると14時に発表したことで下げ幅を広げました。コナカ(7494)も一時3.3%安となりました。子会社のサマンサタバサジャパンリミテッド(7829)が業績予想を下方修正したことに伴い通期の営業損益が4億円を超す赤字となる見通しとなったことで売りが優勢となりました。

また、米ハイテク株安を受けてグロース株の一角に売りが出るなかエムスリー(2413)やリクルートホールディングス(6098)が昨年来安値を更新しました。エムスリーが一時1.4%安、リクルートホールディングスも一時3.1%安となっています。さらに投資判断や目標株価の引き下げを受けて住友林業(1911)やT&Dホールディングス(8795)が安く、投資判断と目標株価の引き下げを受けて住友林業が3.6%安、投資判断の引き下げを受けてT&Dホールディングスも5.9%安となりました。一方でノジマ(7419)が一時4.8%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の2.03%にあたる200万株、30億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。ディスコ(6146)も1.1%高となりました。売りが先行し1.4%安まで下落しましたが、約23年ぶりとなる株式分割を発表したこともあり朝方の売り一巡後に持ち直すと買いが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は368円安となりました。米小売り企業の決算や長期金利の上昇を嫌気して昨日の米国市場が大幅下落となったことで売りが優勢となりました。一時420円以上下げる場面もありましたが、節目の27,000円を前に下げ渋るとやや持ち直しました。しかし、明日が休場となるため手じまい売りも出て下げ幅を広げ昨日にサポートとなった25日移動平均線(27,376円)や、13日にサポートとなった200日移動平均線(27,268円)を割り込みました。そのため下値への警戒感がやや意識されそうですが、昨日時点で130%を超え買われ過ぎとなっていた東証プライム市場の騰落レシオが120%を下回ってきたことから休場明け以降の反発に期待したいところです。

なお、日本時間の23日午前4時には1月31日-2月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表される予定です。ここにきて米連邦準備理事会(FRB)高官から一段の利上げに対して積極的な発言が相次いでいることからFOMCでどのような議論が行われたかが注目されます。また、休場明けの24日には衆議院で次期日銀総裁候補である植田和男氏の所信聴取が予定されています。金融政策の方向性や考え方が焦点となりそうで長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の見直しなど緩和修正を示唆するような発言があるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)