順位は以下のようでした。
1位「勤労・節約・貯金に勤しむ」
2位「宝くじを当てる」
3位「株式投資」
多くのFPが「生きていくのにお金に困らないように」という啓蒙をしてきたことは、まだまだ報われていないのでしょうか・・・。
いくつか理由を考えてみました。
1.対象は全国の20~79歳の男女1,000人とのこと。その属性等は記事からはわからなかった。何らかの偏りがある可能性はないだろうか?
2.質問は「経済的自由(働かなくても生きていくお金に困らない生活)を実現する確率が高いと思う手段」とのこと。「働かなくても・・・」という表現は現収入を今後ゼロにするということにならないか?20~50歳代で仕事を辞めてしまう想定であれば、宝くじのCMにあるような一気に8億や10億という金額を想像したのではないか?(2位に関して)
3.「経済的自由」という表現が「富」「優雅で贅沢なセレブ生活」をイメージさせたのではないか?(2位に関して)
さて、実際のところ、将来に渡って経済的に困らない生活を送るために必要なことは何なのでしょう。
急に収入を絶ち遊んで暮らすという意味ではなく、老後に「無理に働かなくても」と言い換えてみます。そして文字通り現在の生活水準と同水準もしくは(妄想でない程度の)理想の衣食住が続けられることを前提とします。
まずは自分自身の生活に必要な最低限のお金を知ることです。ライフプランおよび、それに伴うマネープランを作ってみれば、現状のままで充分なのか足りないのか、が見えてきます。足りない場合、そこを「より確実に」カバーするのに必要なのが「宝くじに当たること」なのか、考えるまでもないですよね。
宝くじの結果は常に運、賭けです。当たったとしてもつぎ込んだ金額を超える純リターンかどうかを見ると、かなり確率は低くなりますよね。
株式投資も博打のようではないか、マイナスになる可能性は宝くじより高いと思う人もいるかもしれません。ですが、投資を勉強し、市場と付き合っていけば、運頼みのものでないことはわかります。また注文方法を工夫するリスクヘッジにより、負けを少なくでき、配当などの確実なリターンもありますし、ルールを決めた利益確定売りによりリターンを積むこともできるものです。
その点で、上記1位の「節約・貯金」にあるコツコツのイメージは実は株式投資にもあるということ。それどころか、現在の超低金利のなかでは、多少の節約や貯金ではそもそもリターンを得る、増やすことはほとんど望めないのが実際のところ。
思い込みに囚われている方を解放すべく、FPはより啓蒙活動しないといけませんね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員