新年度を迎え、新たに投資を始めよう、今年こそお金を育てよう、と考えていらっしゃる方も多いと思います。ネットで検索すると、その方法については初心者向けから上級者向けまで、それこそ山ほど出てきます。それほど、今やネット社会で情報が溢れています。スマホも普及した今、PCだけの時代以上に広く浅く情報に触れる機会は増えました。それだけ情報が多いということは、玉石混合。中にはかなり怪しいモノもあるのです。
情報の取捨選択はとても難しいもので、それは以前、情報がプロ投資家のみの間で共有されていた時代でも同じでした。「風説の流布」という言葉はその頃から言われたもの。今流行りの「フェイク・ニュース」もそうですね。もちろん「フェイク(嘘)」呼ばわりされるモノの方が真実であることも!SNSの普及はそうした混乱に輪をかけています。自称「プロ」の人たちの発信も、中にはかなり危ない、リスクの高いものがあります。かといって慎重に情報を集めているうちに、その情報が古くなり、瞬時を競う市場での短期投資では後追い、負けにつながる可能性も高まってしまいます。

一体何をどう信じればよいのでしょう?
ここでは2種類の情報を例に見てみます。
一つ目は投資に役立つもの、投資の方法等に関するもの。
何といっても情報ソースの信頼性が何より大切です。フォロワーが何人いようが(発信が巧みなだけかも・・・)、その人を信じて勝負に勝ったことがあろうが(それはたまたまなのかもしれません・・・)、肩書や学歴が立派に見えようが(TVの出演者でもあったこと、ネット上には詐称もいくらでもありえます)、SNSやブログなどで個人が勝手に発信しているものの信頼性を見極めるのは難しいものです。参考に留めておくことをおススメします。
海外の市場に関するニュースや指標については英語の(信頼できる発信元の)ニュース速報を自身で理解したいですね。真実の情報は早ければ早いほど価値があるのです。

もう一つはマネープランなど自身の生活に関わる情報です。当然のことながら、データ等数字は公表している大元を確認する必要があります。ただし、政府が公表している数字でも、例えば平均的な生活費だの、平均給与、平均貯蓄だのは地域性や個々それぞれ大きく差異が生じるものの「平均」です。また、刺激的なタイトルで雑誌等の見出しになっているような数字も、必ずしも万人に当てはまるわけではありません。必要以上に不安になったり、安心し過ぎたりすることはリスクを高めます。自身のお金回りについては一定期間収支を確認するなどで得たデータをベースにするのがよいでしょう。

情報は外部からしか入りませんが、冷静に取捨選択することを心掛けて、情報に踊らされ、惑わされないようにしたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員