日本は超超低金利の真っ只中にありますが、その影響の一端としてこの4月から保険会社の標準利率が引き下げられます。標準利率は加入者に影響する予定利率に深く関わるもので、保険加入者にとって予定利率も下がる、つまりは保険料がアップすることにつながります。2013年4月に年1.0%に引き下げられましたが、今回それが史上最低の0.25%になります。
超低金利と言い続けて、もう軽く15年以上はたちます。
そのうち金利は上昇するだろうと期待し続けて、ついにはマイナス金利となってしまいました。給料は増えない、預貯金しても金利が低くてお金は増えないという状況はなかなか打開される様子もなく、20代~30代でも将来に不安を持っている人が多いのが現状です。少しずつでも投資にお金を回して将来に備えましょう、とは言ってきましたが、若い時から老後の備えばかりとはいきません。現在手元に十分な資金がない場合、万が一のための保障として保険の活用も必要になります。
予定利率の引き下げの影響が特に大きいのは終身保険や個人年金保険、学資保険などの貯蓄性の高い商品です。
個人的には保険に貯蓄性を求めるには適した金利水準ではないとは思ってきましたが、掛け捨てを好まない人や、保障を求めつつ積立貯蓄も並行できたらという希望の人もいらっしゃいます。生命保険や年金保険に加入することで、その年間支払保険料は所得控除の対象(金額制限があります)になり、支払う税金の節約につながるメリットもあります。商品種類、加入年齢、金額、期間などで異なるものの、上記の所得控除を含め、定期預金等に比べ効率のよいこともあります。もちろん予定利率は預金などの利率と異なりますので、それがそのまま自身の得られる利回りではないことにご注意の上、事前に十分に確認を行うようにしましょう。
標準利率が引き下げられる前は保険会社のセールスも活発になり、駆け込み加入する人も増えます。周囲に踊らされるのではなく、自身の必要性を見極めることがまずは大切ですが、上記のような理由から保険加入を検討している人は予定利率が引き下げられる前に加入手続きすることをおススメします。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員