【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,733.96  △104.40 (1/24)
NASDAQ: 11,334.27  ▼30.14 (1/24)

1.概況

米国市場は利益確定の売りが相場の重石となる一方で、市場予想を上回る米製造業PMIを受けて米景気の先行きに対する過度な懸念が後退したことが相場の支えとなったことで小幅に高安まちまちとなりました。184ドル安でスタートしたダウ平均は直後に319ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと昼前にプラスに転じました。その後しばらくは前日の終値を挟んで揉み合いましたが、取引終盤に買いが優勢になると引けにかけてやや上げ幅を広げ結局104ドル高の33,733ドルで取引を終え3日続伸となりました。

一方でS&P500株価指数が2ポイント安の4,016ポイントと3日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も30ポイント安の11,334ポイントとなりこちらも3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

1月の米製造業PMI速報値は46.8と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや公益事業、不動産などの6業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスやヘルスケア、エネルギーなどの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、決算で1株利益が市場予想を下回ったスリーエム(MMM)が6%以上下げ下落率トップとなったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%を超える下落となりました。一方で決算で売上高が市場予想を上回ったトラベラーズ(TRV)が3%以上上げ上昇率トップとなり、決算で携帯通信事業の契約者数が市場予想を上回ったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%近く上昇しています。また、マイクロソフト(MSFT)は小幅安で取引を終えましたが、取引終了後に発表した決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が2%余り下げました。ネット広告事業が反トラスト法に抵触しているとして米司法省がグーグルを提訴したことが嫌気されました。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い3.45%となりました。ドル円は130円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で27,184円)などを支えに下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)