東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。202円高の26,176円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで342円高の26,316円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと225円高の26,199円で前場を終えました。186円高の26,160円でスタートした後場の日経平均は直後に158円高の26,132円を付けた後14時50分に215円高の26,188円を付けるなど26,100円台で推移すると結局201円高の26,175円で取引を終えました。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
エーザイ(4523)が4.8%高となりました。米バイオジェン(BIIB)と共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を米食品医薬品局(FDA)が迅速承認したと発表したことで買いを集めました。日本製鉄(5401)も一時3.9%高となり昨年来高値を更新しました。国内の建設用鋼材の販売価格の見直しを従来より2ヶ月短くし、3ヶ月ごとにすると伝わったことで原料高を反映しやすくなり収益の改善が期待できるとして大幅高となりました。
上期決算を発表したカジュアル婦人服チェーンのハニーズホールディングス(2792)も5.9%高となり昨年来高値を更新しました。外出需要が回復していることから売上高が予想を上回る見込みとなったことなどで通期の営業利益の見通しを55億円から60億円に上方修正したことを好感した買いが入りました。また、政府が非正規労働者らを対象とした子育て支援の給付制度を創設する方向で調整に入ったと伝わったことから子育て関連銘柄が高く、保育所を運営するグローバルキッズCOMPANY(6189)が7.2%高、ベビーシッター派遣のポピンズ(7358)も6.0%高となりました。
東証グロース市場でも保育所を運営するキッズスマイルホールディングス(7084)が一時30.0%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新したほか、子育て中の女性の就労を支援するSERIOホールディングス(6567)も18.1%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しています。さらにTOTO(5332)が複数の証券会社が投資判断と目標株価を引き上げたことで8.6%高となっています。一方で良品計画(7453)が9.8%安となりました。原材料の高騰や急激な円安による仕入れ価格の上昇などにより第1四半期の営業利益が前年同期比で54.9%減と大幅な減益となったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は201円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均は利益確定の売りが出て反落となりました。しかし、米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回り賃金インフレへの懸念が後退し先週末にダウ平均が大幅高となっていたことから買いが優勢となりました。節目の26,000円を回復したことから調整一巡への期待も出てきそうですが、12日に米消費者物価指数(CPI)の発表を控え積極的に動きにくいなかでここからさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。
なお、2月決算企業の第3四半期決算発表が続いていますが本日も引け後にはローソン(2651)やウエルシアホールディングス(3141)、安川電機(6506)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)