東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。米国株安を受けて80円安の25,740円で寄り付いた日経平均は直後に101円安の25,719円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮め取引開始から20分余りでプラスに転じると11時20分過ぎに158円高の25,979円まで上昇し154円高の25,975円で前場を終えました。178円高の25,999円でスタートした後場の日経平均は取引開始から5分で213円高の26,034円まで上昇し高値を付けました。しかし、節目の26,000円を上回ったところでは上値が重くやや上げ幅を縮め26,000円を下回って推移すると結局153円高の25,973円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

斉藤鉄夫国土交通相が記者会見で全国旅行支援を予定通り10日に再開する考えを表明したことで旅行関連株が買われました。エアトリ(6191)が一時5.1%高、オープンドア(3926)が一時3.6%高、エイチ・アイ・エス(9603)が一時2.7%高、日本航空(9201)も一時2.4%高となりました。ラーメンの「一風堂」などを展開する力の源ホールディングス(3561)も4.6%高となりました。営業時間短縮要請が解除され営業時間が伸びたことなどにより12月の既存店売上高が前年同月比で5.1%増となったことで大幅高となりました。

東証スタンダード市場では100円ショップのセリア(2782)も12月の既存店売上高が前年同月比で1.0%増となり1年2ヶ月ぶりに前年を上回ったことで一時5.5%高となっています。本決算を発表した中古車販売大手のネクステージ(3186)も一時6.8%高となりました。大型店や買い取り専門店の積極的な出店を継続することなどで2023年11月期の営業利益が前年同期比で28.5%増となる見通しを発表し、市場予想も上回ったことで上げ幅を大きく広げる場面がありました。

しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると下落に転じ0.3%安で取引を終えています。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがみずほフィナンシャルグループ(8411)やブラザー工業(6448)で、みずほフィナンシャルグループが投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時2.4%高となり昨年来高値を更新したほか、ブラザー工業も投資判断の引き上げを受けて一時2.7%高となっています。一方でメガネ専門店の「JINS」を運営するジンズホールディングス(3046)が12.0%安となりました。政府による全国旅行支援で観光や飲食などに消費者の需要が向かったことなどで2022年12月の既存店売上高が前年同月比10.1%減となったことから売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は153円高となりました。強い雇用関連の経済指標の発表を受けて米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が改めて強まり昨日の米国市場が大幅反落となったことで売りが先行しましたが、下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ上げ幅を三桁に広げました。

しかし、節目の26,000円を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。そのため26,000円近辺での上値の重さがやや意識されそうで、連休明け以降も26,000円を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が続いていますが本日も引け後には良品計画(7453)やヨンドシーホールディングス(8008)などが決算を発表する予定です。

また、日本時間の22時30分には2022年12月の米雇用統計が発表される予定です。FRBによる今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)