東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安と円高を受けて大幅反落となりました。259円安の25,834円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げ取引開始から10分余りで432円安の25,661円まで下落した後、10時30分過ぎに276円安の25,818円まで持ち直しましたが、25,800円を上回ったところでは上値が重く再び下げ幅を広げ369円安の25,724円で前場を終えました。367円安の25,727円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに320円安の25,774円を付けた後下げ幅を広げ大引け間際に396円安の25,697円を付けると結局377円安の25,716円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

メガバンクが堅調でした。日銀が1月に示す2022年度以降の消費者物価指数の前年度比上昇率の見通しを前回から上方修正する方向で検討していると伝わったことで、日銀が金融緩和の一段の縮小に踏み切るとの思惑が出て物色の矛先が向かいました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.5%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.4%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時3.1%高、りそなホールディングス(8308)も一時3.7%高となり、三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループは昨年来高値を更新しています。

また、政府が小型の電気自動車(EV)を数分で充電できる高出力充電器の普及に乗り出すと伝わったことから関連銘柄が買われました。EV用急速充電器を手掛ける東光高岳(6617)が11.2%高となり昨年来高値を更新したほか、東証スタンダード市場では同じくEV用急速充電器を扱うモリテック スチール(5986)が34.8%上昇しストップ高となりました。

一方で海運市況の下落を受けて大手海運株が売られました。日本郵船(9101)が6.5%安、商船三井(9104)が6.2%安、川崎汽船(9107)も7.2%安となりました。円高への警戒感から自動車株も安く、なかでもマツダ(7261)が3.0%安、三菱自動車工業(7211)も5.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は377円安となりました。昨年末と昨日の米国市場が下落となったうえに、一段の円高への警戒感もあり売りが優勢となりました。大発会から節目の26,000円を割り込む展開となり残念なスタートとなりましたが、今週は週末の米雇用統計の発表や3連休を控え積極的に動きにくいといえます。こうしたなかで日銀による金融緩和政策の修正をきっかけとした株安の流れを止めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の5日午前0時には12月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、午前4時には12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)