【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,875.71  ▼365.85 (12/28)
NASDAQ: 10,213.29  ▼139.94 (12/28)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て下落となりました。23ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に137ドル高まで上昇する場面もありましたが、伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げ昼過ぎに310ドル安余りまで下落しました。その後下げ渋り一旦100ドル安程度まで持ち直したダウ平均ですが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局365ドル安の32,875ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント安の10,213ポイントと続落となり、10月14日に付けた年初来安値(10,321ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

11月の中古住宅販売仮契約指数は前月比4.0%低下の73.9となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、情報技術と不動産、コミュニケーション・サービス、素材、資本財・サービス、生活必需品も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はJPモルガン・チェース(JPM)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもアップル(AAPL)が3%余り下落したほか、ウォルト・ディズニー(DIS)とダウ(DOW)、ナイキ(NKE)も2%以上下げました。また、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、サウスウエスト航空(LUV)が5%以上下げ前日に続いて大幅安となりました。米国を襲った大寒波の影響による運航計画の乱れが他社と比べて際立っており、米運輸省が調査に踏み切る方針を明らかにしたことを懸念した売りが出ました。さらに中国での新型コロナウイルス感染拡大の深刻化を懸念した売りが出て中国企業の米国預託証券(ADR)に下げるものが目立ちました。電子商取引のJDドットコム(JD)とピンドゥオドゥオ(PDD)や検索サイトのバイドゥ(BIDU)が4%を超える下落となっています。

一方で運用会社が株を買い増したと伝わったテスラ(TSLA)が3%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い3.88%となりました。ドル円は134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の26,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)