東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。138円安の26,309円で寄り付いた日経平均は直後に93円安の26,354円を付けた後下げ幅を広げると10時10分過ぎに248円安の26,199円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと156円安の26,290円で前場を終えました。179円安の26,268円でスタートした後場の日経平均は直後に186円安の26,261円を付けた後下げ渋り引けにかけて持ち直すと結局107円安の26,340円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
オリエンタルランド(4661)が一時3.7%高となりました。2023年4月1日付で1株を5株に分割すると発表したことで、投資金額が下がることによる投資家層の拡大や流動性の向上を期待した買いが入りました。漬物製造大手のピックルスホールディングス(2935)も10.5%高となりました。9月に持ち株会社体制に移行したことを記念し年間配当を従来の20円から22円に引き上げることや、自己株式を除く発行済株式総数の3.5%にあたる45万株と5億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いを集めました。
また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが第一生命ホールディングス(8750)やしまむら(8227)で、第一生命ホールディングスが目標株価の引き上げを受けて一時1.7%となり上場来高値を更新したほか、しまむらも投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.7%高となりました。
一方でスギホールディングス(7649)が7.5%安となりました。4月に薬価や調剤報酬が大幅に引き下げられた影響で調剤の利益率が低下したことなどで第3四半期の営業利益が前年同期の水準を下回ったことで売りが膨らみました。J.フロント リテイリング(3086)も一時3.8%安となりました。インバウンド消費が復調したほか、高額品の販売が好調だったことなどから第3四半期の事業利益が前年同期比2.3倍と急回復しましたが、通期予想を据え置いたことで失望売りが優勢となりました。また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近い下げとなったことで半導体関連株が安く、なかでもレーザーテック(6920)が3.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は107円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなるなかナスダック総合株価指数が1%を超える下落となったこともあって売りが優勢となり、一時は250円近く下げました。しかし、朝方の売り一巡後に持ち直し下げ渋りました。今年の取引も明日と明後日のあと2日です。日銀による金融緩和政策の修正が尾を引き盛り上がりに欠ける年末となるなかで少しでも巻き返しを図ることができるかがポイントとなりそうです。
なお、寄り付き前の8時50分には日銀が金融緩和策を修正した12月19-20日開催分の金融政策決定会合の主な意見を公表しましたが、黒田東彦総裁が会見などで示した姿勢と大きく異なる内容ではなかったこともあり相場への影響は限定的でした。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)