東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて6日ぶりに反発しました。164円高の26,552円で寄り付いた日経平均は直後に197円高の26,585円まで上昇した後伸び悩むと10時40分前に11円高の26,399円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し104円高の26,492円で前場を終えました。91円高の26,479円でスタートした後場の日経平均は直後に84円高の26,472円を付けた後やや上げ幅を広げると結局120円高の26,507円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

松屋(8237)が4.1%高となりました。11月の訪日客数が前月比で約2倍の93万4500人となり、新型コロナウイルス禍前の2019年同月比で4割弱の水準に戻ったと日本政府観光局(JNTO)が発表したことからインバウンド需要の回復を期待した買いが入りました。その他の百貨店株も堅調で三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時2.4%高、高島屋(8233)も一時1.9%高となりました。

アシックス(7936)も一時3.1%高となりました。昨日の米国市場でナイキ(NKE)が市場予想を上回る決算を発表し急伸した流れを受けて大幅高となりました。ミズノ(8022)やデサント(8114)、ゴルドウイン(8111)も高く、ミズノが一時1.8%高、デサントが一時4.7%高、ゴルドウインも一時2.5%高となっています。

日産(7201)も一時4.3%高となりました。日産と三菱自動車工業(7211)が電気自動車の値上げに踏み切ることが分かったと伝わったことで利益率改善を期待した買いが入りました。三菱自動車工業も一時4.5%高となったほか、他の自動車株も円高の一服を受けて堅調でトヨタ(7203)が一時2.5%高、ホンダ(7267)が一時2.9%高、マツダ(7261)とSUBARU(7270)も一時2.8%高となりました。ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)も4.7%高となりました。鉛蓄電池の主原料である鉛価格の高止まりが続いていることなどから2023年2月1日より自動車用鉛蓄電池の価格を改定すると発表したことから収益の改善を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は120円高となりました。米消費者信頼感指数が大きく上昇したことや、市場予想を上回る企業決算を受けて昨日の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。

しかし、昨日の米国市場で主要3指数が揃って1%を超える上昇となったうえ、昨日までの5日間で1,700円以上下げた後だったにも関わらず戻りが鈍かったことからすると、唐突なタイミングでの日銀の政策修正がいまだに尾を引いているといえそうで、しばらくは落ち着きどころを探る展開が続きそうです。

なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数と7-9月期の米GDP確定値が発表されるほか、23日午前0時には11月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)