英国ショックからの1週間。サプライズによる動揺はおおよそ収束したかにも見えますが、まだまだ英国内は混乱しており、他EU諸国がどう動くか等、問題は多く、引き続き市場は慎重に見ていくようにしましょう。

先週の金曜日、またしても卑劣なテロが発生、なんの罪もない、それどころかバングラデシュの発展のために力を尽くしていた日本人7名を含む多くの尊い命が奪われてしまいました。心よりお悔やみ申し上げます。
こうしたソフトターゲットを狙ったテロが起きる度に、企業や人の海外進出・渡航の危険性が叫ばれ、躊躇が増し、それは日本のみならず、世界の人的交流や経済発展にも影響します。
今や、パソコン等を通じて自宅の机の上からでも、世界の金融市場に簡単にアクセスでき、情報やマネーの動きについては「ボーダーレス」という言葉がしっくりいくようになっています。ですが、たとえば株式投資、ファンド投資一つをとっても、突き詰めていけば、企業それぞれには実際に現地で働く人々がいるわけで、けっして想像上のゲームではありません。現に今回の事件でも、いくつもの会社が大切な人的資源(「宝」と報道されていましたね・・・)を失っています。

リターン期待が大きければリスクも大きくなる、投資のセオリーです。
リスクが大きくなるとマネーはリスク回避に向かいます。
ところが世界中のお金の動きはそれだけで説明はできませんよね。
大きな災害などがあれば、人々は支援の動きをします。見返りを求めているものではなく、応援したい、助けたいという気持ちです。寄付もそれにあたりますね。実利というリターンを求めての行動ではありません。「投資」と「支援」とは逆のお金の動きだなぁ、と考えたところ、支援をするための投資があることを思い出しました。

世の中には「支援型投資」と呼ばれる形態がいくつもあります。
多くの人からお金を募り、その目的に役立つための投資を行う、運用収益は出資者の持ち分に応じて分配というもので、もちろん支援が第一の目的であるため、収益が出るとは限らないものです。
支援を目的とする投資は以下のようなものがあります。

・復興支援型ファンド

・起業支援ファンド

・中小企業成長支援ファンド

残念ながら現在募集を行っていなかったり、ファンドといっても個人が購入しやすい投信の形をしていなかったりということも多いです。
もう一つ、形を変えた「支援」とも考えられると思いますが、「テロ対策関連銘柄」と呼ばれるような株式に投資をすること。警備やセキュリティ関連の企業に投資することでテロ対策を支援していることにつながるとも言えます。

世間を動揺させる嫌な事件や災害等が続きますが、お金の使い方ひとつで、気持ちの上でのリターンを得ることができるかもしれません。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員