東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅続落となりました。345円安の27,706円で寄り付いた日経平均は直後に338円安の27,713円を付けた後下げ幅を広げると11時過ぎに469円安の27,582円まで下落し431円安の27,620円で前場を終えました。
457円安の27,594円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時40分過ぎに562円安の27,488円まで下落しましたが、節目の27,500円を小幅に下回ったところで下げ渋ると引けにかけてやや戻し結局524円安の27,527円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が一時3.4%高となりました。東芝の再編を巡り民間企業の資本参加が固まりつつあることで銀行団の融資が焦点となるなか、三井住友銀行やみずほ銀行が日本産業パートナーズの東芝の買収提案に対して総額1兆2000億円規模の融資をする方針であることがわかったと伝わったことで、非公開化へ向けて前進しているとの見方から買いが優勢となりました。
本決算を発表したパーク24(4666)も10.4%高となり年初来高値を更新しました。カーシェアで法人利用が大幅に回復するとみられることなどから2023年10月期の営業利益が前期比30.6%増となる見通しを発表し市場予想も上回ったことから買いを集めました。アスクル(2678)も5.7%高となりました。人流回復によりオフィス用品の需要が回復していることなどから第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で10.7%増となり、第1四半期の9.7%減から増益に転じたことで大幅高となりました。東証グロース市場では医薬品開発のそーせいグループ(4565)も8.4%高となり年初来高値を更新しました。米製薬大手のイーライリリー(LLY)と糖尿病や代謝性疾患の創薬研究などで提携し契約一時金として3700万ドルを受け取ると発表したことから上げ幅を広げました。
一方で昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%を越える下落となったことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が4.5%安、レーザーテック(6920)が6.0%安、アドバンテスト(6857)も3.2%安となりました。また、ファーストリテイリング(9983)も3.5%安となり日経平均を1銘柄で101円押し下げました。1株を3株にする株式分割を発表しましたが、日経平均が大幅安となるなか指数寄与度が大きいこともあって株価指数先物の下落に伴う売りが出て大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は524円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め継続による景気後退が警戒されるなか米小売売上高が大幅な落ち込みとなり市場予想を下回ったことで昨日の米国市場が大幅続落となったことで大幅安となりました。昨日は下げ渋り節目の28,000円を維持しました。
しかし、本日は28,000円を割り込むと昨日サポートとなった25日移動平均線(27,974円)も下回り下げ幅を大きく広げました。28,000円を超えてくると押し戻される展開が続いていることから上値の重さが改めて意識されそうですが、12月に入ってサポートとなっている75日移動平均線(27,529円)近辺まで一気に調整したこともありここからの切り返しに期待したいところです。
なお、日本時間の23時45分には12月の米製造業PMI速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)