【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,966.35  ▼142.29 (12/14)
NASDAQ: 11,170.89  ▼85.93 (12/14)

1.概況

米国市場はFOMC で2023年末の政策金利の見通しが市場予想を上回る水準に切り上げられたことで3日ぶりに反落となりました。22ドル安でスタートしたダウ平均は直ぐにプラスに転じると上げ幅を広げFOMCの結果発表前には287ドル高まで上昇しましたが、FOMCの結果発表を受けて急速に上げ幅を縮めマイナスに転じると一時は404ドル安まで下落しました。その後一旦持ち直し100ドル高余りまで上昇する場面もありました。

しかし、買いが続かず引けにかけてマイナスに転じると結局142ドル安の33,966ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も85ポイント安の11,170ポイントとなっています。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を0.5%引き上げ4.25-4.5%にすることを決めました。利上げ幅をこれまでの0.75%から縮小させましたが、参加者の2023年末の政策金利の見通しの中央値は4.625%から5.125%に引き上げられました。また、パウエルFRB議長は会見でインフレ率を目標の2%に戻すために継続的に利上げすることが適切であると引き続き考えていると述べています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が下げました。そのなかでも金融と素材、不動産が1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GS)とアメリカン・エキスプレス(AXP)が2%を越える下落となったほか、インテル(INTC)とアップル(AAPL)、ナイキ(NKE)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も1%以上下げました。

一方でメルク(MRK)が1%を越える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が軟調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%近く下落し、エヌビディア(NVDA)も2%以上下げました。マイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)、ウエスタンデジタル(WDC)も1%を上回る下落となっています。

また、テスラ(TSLA)が目標株価の引き下げを受けて2%以上下げ、過去1年間の安値を連日で更新しています。デルタ航空(DAL)は10-12月期の利益見通しを上方修正したことで3%近く上げています。ファイザー(PFE)も中国の医薬品卸と新型コロナウイルスの経口治療薬「パクスロビド」の輸入販売契約を結んだことで2%を越える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い3.48%となりました。ドル円は135円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に回復した節目の28,000円を割り込むことになりそうです。

また、日本時間の11時には中国で11月の鉱工業生産指数や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)