東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。116円安の27,704円で寄り付いた日経平均は直後に122円安の27,698円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと9時30分前にプラスに転じ81円高の27,902円で前場を終えました。上げ幅を三桁に広げ104円高の27,925円でスタートした後場の日経平均は直後に113円高の27,934円を付けた後伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると結局65円高の27,885円で取引を終えています。
一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
岸田文雄首相が2023年度から5年間の防衛費の総額を現行の中期防衛力整備計画の5年総額27兆4700億円から5割以上増える43兆円にするように指示したと伝わったことで防衛関連株が買われました。三菱重工業(7011)が一時3.1%高となったほか、川崎重工業(7012)が一時2.5%高、IHI(7013)も一時3.4%高となりました。タカラバイオ(4974)も3.7%高となりました。滋賀県草津市の本社敷地内に新工場棟を建設し新型コロナウイルスワクチンなどバイオ医薬品の受託生産を強化すると伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。クスリのアオキホールディングス(3549)も3.7%高となりました。調剤やフードなどの物販が好調だったことなどで11月の既存店売上高が前年同月比で7.0%増となり9月や10月を上回る伸びとなったことを好感した買いが入りました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのがホシザキ(6465)やNTN(6472)で、ホシザキが一時4.1%高、NTNも4.4%高となりました。
一方でサイバーエージェント(4751)が4.1%安となりました。2日にはサッカーワールドカップのカタール大会で日本代表が強豪のスペインに勝利し決勝トーナメント進出を決めたことで大会を全試合無料で生中継しているインターネットテレビのABEMAの利用者が増加し広告収入が増えるとの思惑から大幅高となりましたが、決勝トーナメントの1回戦でクロアチアに敗れたことで手じまい売りが出ました。同じくサッカーワールドカップの関連銘柄として2日に大幅高となった英国風パブのハブ(3030)も6.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は65円高となりました。先週末の米雇用統計に続いて米ISM非製造業景況感指数も市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの懸念が強まり昨日の米国市場が下落となったことから売りが先行しましたが、75日移動平均線(27,623円)を割り込むことなく下げ渋ると持ち直しプラスに転じ上げ幅を三桁に広げる場面もありました。
しかし、27,900円を小幅に上回ったところで伸び悩むと25日移動平均線(27,894円)を引けで上回ることができませんでした。したがって明日以降も買いが優勢となった場合には25日移動平均線を超えることができるかが、反対に売りが優勢となった場合には75日移動平均線を維持できるかが引き続きポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)