東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。62円安の28,220円で寄り付いた日経平均は直後に44円安の28,238円を付けた後下げ幅を広げると10時40分過ぎに236円安の28,046円まで下落し175円安の28,107円で前場を終えました。155円安の28,127円でスタートした後場の日経平均はその後も28,100円台で推移すると結局120円安の28,162円で取引を終えています。
一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ジャフコ グループ(8595)が9.0%高となり年初来高値を更新しました。約2400万株を保有する野村総合研究所(4307)の株式を全て売却し、売却資金を原資として自社株買いを実施すると発表したことで買いを集めました。
一方で野村総合研究所はジャフコの全保有株と筆頭株主の野村ホールディングス(8604)の一部保有株の約3700万株の売り出しを発表したことから7.5%安となっています。サイバーエージェント(4751)も7.6%安となりました。サッカーワールドカップのカタール大会で日本代表が強豪のドイツに勝利したことで試合を中継するインターネットテレビのABEMAの利用者が増加し広告収入が増えるとの思惑から24日以降買いが続いていたことからコスタリカに敗北したことで利益確定の売りが出ました。
また、同じくサッカーワールドカップの関連銘柄として買われたミズノ(8022)や英国風パブのハブ(3030)も安く、ミズノが3.7%安、ハブも17.5%安となりました。中国電力(9504)も3.6%安となりました。企業向け電力の供給などを巡ってカルテルを結んだとして公正取引委員会が独占禁止法違反(不当な取引制限)で中国電力、九州電力(9508)、中部電力(9502)の大手電力3社などに課徴金納付を命じる方針を固めたと伝わったことで大幅安となりました。九州電力が一時2.5%安、中部電力も一時2.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は120円安となりました。先週末の米国市場でハイテク株が売られナスダック総合株価指数が反落となったことで日本市場でも半導体関連株などに売りが出て続落となり一時は230円以上下げる場面もありました。しかし、節目の28,000円を前に下げ渋ると下げ幅を縮めました。
今週は米連邦準備理事会(FRB)高官の発言機会が多いうえ、11月の米ISM製造業景況感指数や11月の米雇用統計など重要な経済指標の発表も相次ぎます。マーケットの反応が注目されますが、こうしたなかで引き続き28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、今晩も米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が質疑応答に参加する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)