東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。15円高の28,398円で寄り付いた日経平均は直後に16円高の28,399円を付けましたが、上値は重く伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ9時20分過ぎに105円安の28,277円まで下落しました。その後10時10分過ぎには一旦4円安の28,378円まで持ち直しましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げ96円安の28,286円で前場を終えました。117円安の28,265円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に81円安の28,302円を付けるなどやや下げ幅を縮める場面もありましたが軟調に推移すると結局100円安の28,283円で取引を終えています。

一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

東北電力(9506)が一時4.8%高となりました。一般家庭向けの規制料金について2023年4月から平均32.94%の値上げを経済産業省に申請したと発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。他の電力株にも買いが波及し北陸電力(9505)が一時5.4%高、東京電力ホールディングス(9501)が一時5.2%高、中国電力(9504)と四国電力(9507)、北海道電力(9509)が一時3.3%高、沖縄電力(9511)が一時3.2%高、九州電力(9508)が一時3.1%高、中部電力(9502)と関西電力(9503)も一時2.1%高となりました。

また、斉藤鉄夫国土交通相が観光促進策の全国旅行支援を年明け以降も続けると表明したことから旅行関連株が買われ、なかでもエイチ・アイ・エス(9603)が3.4%高となり、オープンドア(3926)も一時3.2%高となりました。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのがヤクルト本社(2267)やSANKYO(6417)で、ヤクルト本社が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.9%高となり、SANKYOも目標株価の引き上げを受けて5.0%高となりました。

一方で電通グループ(4324)が一時4.7%安となりました。東京五輪・パラリンピックのテスト大会関連事業の入札で受注調整をしていた疑いが強まったとして東京地検特捜部が電通グループなどを独占禁止法違反容疑で家宅捜索したことが明らかとなったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は100円安となりました。昨日の米国市場が休場で材料に乏しいなか小幅に上昇して始まりましたが、利益確定の売りが出て伸び悩むと直ぐに下落に転じその後はマイナス圏での推移が続きました。しかし、下げ幅を三桁に広げる場面では下げ渋り底堅さをみせました。

来週はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などFRB高官の発言が相次ぐ予定でマーケットの反応が注目されますが、こうしたなかで買いが優勢となった場合には節目の28,500円を超えて水準を切り上げることができるかが、反対に売りが優勢となった場合には節目の28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場は感謝祭の翌日で短縮取引となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)