東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。257円高の28,373円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで386円高の28,502円まで上昇しましたが、節目の28,500円をわずかに上回ったところで上値が押さえられるとやや上げ幅を縮め332円高の28,448円で前場を終えました。332円高の28,448円でスタートした後場の日経平均は直後に337円高の28,453円を付けた後伸び悩むと大引け間際に247円高の28,363円まで上げ幅を縮め結局267円高の28,383円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
商船三井(9104)が4.0%高となりました。1000億円規模を投じてクルーズ船2隻を発注する方針を固めたと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。ニトリホールディングス(9843)も3.7%高となりました。テレビCM効果や各種キャンペーンの実施によりコタツやキッチン用品、クリスマス商品の売上が好調に推移したことなどから11月度の既存店売上高が前年同月比で2.7%増とプラスを維持したことで大幅高となりました。サイバーエージェント(4751)も6.9%高となりました。サッカーワールドカップのカタール大会で日本代表が強豪のドイツに勝利したことで、試合を中継するインターネットテレビのABEMAの利用者が増加し広告収入が増えるとの思惑から買いを集めました。
さらに米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が連日で大幅高となったことから日本市場でも半導体関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が3.5%高、レーザーテック(6920)が4.7%高、SCREENホールディングス(7735)が3.6%高、アドバンテスト(6857)も4.6%高となりました。
一方で東芝(6502)が一時4.3%安となりました。東芝の非公開化を巡り買収提案の優先交渉権を得た日本産業パートナーズが主導する企業連合がこれまで最大約2兆4000億円と見積もっていた東芝の買収総額の引き下げを検討していると伝わったことで下げ幅を広げる場面がありました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は267円高となりました。米国市場が米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて利上げペース減速への期待から続伸となり、ダウ平均が22日と23日の2日間で490ドル以上上げたことから買いが優勢となりました。朝方には380円以上上昇する場面もありましたが、節目の28,500円をわずかに超えたところで伸び悩むと上げ幅を縮めました。しかし、11日に付けた直近の戻り高値(28,329円)を抜けてきたことで一段高への期待が高まりそうで、こうしたなかで本日上値を押さえられた28,500円を上回ってさらに水準を切り上げることができるかがまずはポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場は感謝祭の祝日で休場です。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )