2月22日と2並びの本日、連載440回目を迎えました。444回目だともう一つ盛り上がるところなのですが・・・、のん気な前置きで失礼いたしました。

先週は気候同様に振れ幅の大きい不安定な相場展開でしたね。
気が気でない方も多いかもしれませんが、相場とは動揺しながら向き合っても良い結果にはつながりにくいものです。
ふと、こうした場面で動揺の少ない(投資をしている限り、全く動揺のない方はいないと思いますが・・・)冷静さを保てる投資家というのはどんな人だろう、とあらためて考えてみました。やはり様々な意味で、リスクを偏らせない、リスクを取り過ぎていない人であろうという点に行き着きます。

これほどの低金利、先週以降はメガバンクの普通預金に100万円を預けて年に10円(税引き前)の利息しか付かないレベルですから、リスクを取らない限りお金は増えません。ですが、そのリスクの取り方のバランスを崩すと、こうした相場変動に振り回されることとなってしまいます。
早くお金を増やしたい、という人ほど手元資金をあるだけ投資に回そうとすると同時に、ハイリターンを望む余りにリスクの高い商品を選ぼうとする傾向があるようです。これまで見ていてリスクを取り過ぎ!偏り過ぎ!と感じた例としては・・・

・収入のうち生活費を除き、ほぼ全てFXに投入している。

・手元資金が少ないため、FXのレバレッジは最大限にしている。

・運用資産のうち8割以上を中国株に投資している。

等々です。見ただけで、大丈夫だろうか??と感じる方がほとんどだと思いますが、意外やこうした投資は素人ではなく、熱心に勉強しながら相場と付き合っているような方が行っていました。

投資はギャンブルではありません。一か八かの勝負は「投機」になってしまいます。
FX等で投資スパンが短いスタイルで投資されている方も、市場から退場を余儀なくされる(=大負けして資金の底がつく)状況にでもならない限り、投資を続けるという意味で長期投資となりえます。
時間をかけ、相場と向き合いながら資産を育てていく(資金を殖やしていく)ことを目的とすれば、自ずと無理なリスクはとらなくなるのではないでしょうか。
リスク・バランスの取り方で大切な点は以下にあげられます。

1.生活費や万が一の資金を流動性資金に残した上で、余剰資金を投資に回す。そのためには余剰資金を作り出すべく、自身の収支を把握すること。

2.はやる気持ちがあっても、投資用資金は同一単一のリスク性商品に集中投資をしないこと。焦らないことが大切。資金が少ないときは投資信託など少額で分散可能な商品を活用する。

3.投資をしたら放っておかず、定期的なリバランスやリアロケーションを行う。そのために全金融資産の把握を怠らない。相場状況は見続ける。

焦らず、慌てず、じっくりと相場と向き合っていくようにしたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員