東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。79円高の28,009円で寄り付いた日経平均は伸び悩むと9時30分過ぎにマイナスとなりましたが、1円安の27,928円で下げ渋ると持ち直し10時に114円高の28,045円まで上昇しました。しかし、節目の28,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め47円高の27,978円で前場を終えました。

32円高の27,963円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに55円高の27,986円まで上昇しましたが、28,000円を前に伸び悩むとマイナスに転じ14時30分過ぎに52円安の27,877円まで下落し結局30円安の27,899円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

東京ガス(9531)が4.0%高となったほか、大阪ガス(9532)も一時3.1%高となりました。円安によって液化天然ガス(LNG)など都市ガスの原料が高騰しているため東京ガスと大阪ガスが2023年1月の家庭向けガス料金を値上げすると伝わったことで収益の改善を期待した買いが入りました。

地銀株の一角にも上昇するものがみられました。40の地方銀行が基幹システムをクラウド技術を使った新システムに切り替える検討に入ると伝わったことでコスト削減を期待した買いが入りました。横浜銀行などを傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が一時2.7%高、 京都銀行(8369)が一時3.1%高となったうえ、千葉興業銀行(8337)も7.1%高となり年初来高値を更新しました。

パナソニック ホールディングス(6752)も一時2.4%高となりました。スウェーデンの室内換気設備大手のシステムエアの業務用空調事業を1億ユーロで買収すると発表したことを材料視した買いが入りました。一方でソフトバンクグループ(9984)が3.9%安となりました。米格付け会社がソフトバンクグループの長期発行体格付けの見通しを安定的からネガティブに引き下げたことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は30円安となりました。セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言を受けて昨日の米国市場が小幅に下落となったことで続落となりました。買いが先行し上げ幅を三桁に広げ節目の28,000円を上回る場面もありましたが、28,000円を小幅に上回ったところで伸び悩むと後場に入って売りが優勢となりました。そのため28,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、こうしたなかで来週も28,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も今週で終わりとなりますが、本日も引け後には東京海上ホールディングス(8766)やSOMPOホールディングス(8630)などの大手損保が決算を発表する予定です。また、日本時間の19日午前0時には10月の米景気先行指標総合指数や10月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )