東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。76円安の27,952円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で118円安の27,910円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスとなり10時40分過ぎに1円高の28,029円を付けました。しかし、上値は重く再びマイナスに転じ112円安の27,915円で前場を終えました。

110円安の27,917円でスタートした後場の日経平均は13時前に77円安の27,950円まで戻した後やや下げ幅を広げ27,900円台前半で推移すると結局97円安の27,930円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

10月の訪日客数が前月比2.4倍の49万8600人となったことでインバウンド需要の回復を期待した買いが入り百貨店株や鉄道株、空運株が上昇しました。百貨店株では三越伊勢丹ホールディングス(3099)が5.6%高、高島屋(8233)が4.3%高、松屋(8237)が4.8%高となり、鉄道株ではJR東日本(9020)が2.9%高、JR東海(9022)が3.2%高、JR西日本(9021)が3.9%高となりました。また、空運株では日本航空(9201)が一時2.7%高、ANAホールディングス(9202)も3.0%高となっています。日揮ホールディングス(1963)も4.9%高となりました。米国で世界最大級のシェールガス由来のエチレン製造プラントを受注したと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。美容健康機器を手掛けるヤーマン(6630)も27.1%上昇しストップ高となりました。美容機器など中国向けの出荷が好調だったことで上期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。平田機工(6258)も2.9%高となりました。北米の新興電気自動車メーカーから電気自動車関連設備の大型案件を受注したと発表したことで一時7.2%高まで上げ幅を広げる場面もありました。

一方で半導体メモリーの米マイクロン・テクノロジー(MU)が半導体市況の悪化を理由にメモリー生産を削減すると発表したことで昨日の米国市場で半導体株が大きく下げた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が売られました。東京エレクトロン(8035)が3.0%安、レーザーテック(6920)が8.4%安、アドバンテスト(6857)も3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は97円安となりました。ディスカウントストア大手の米ターゲット(TGT)の冴えない決算を受けて消費減速の懸念が強まったことや、半導体株に売りが出たことで昨日の米国市場が下落したことで反落となりました。朝方の売り一巡後に持ち直しわずかにプラスとなる場面もありましたが、節目の28,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると結局100円近い下げとなりました。そのため28,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、こうしたなかで28,000円を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数や11月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の米住宅着工件数が発表されるほか、17日の米国では半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の決算発表が予定されています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )