モトリーフール米国本社、2022年11月12日 投稿記事より

主なポイント

・ナイキには、強力なブランド力と、素晴らしい成長実績がある
・コムキャストは、放送からブロードバンドまで、幅広い事業を展開している
・アルファベットは、検索エンジンのグーグルを筆頭に、多くの事業で市場を支配している

株式市場の低迷により、多くのグロース株が絶好の買い場を迎えている

株式市場が急落すると、多くの優良企業の株式も売られます。最近の市場を見れば明らかです。市場を代表する株価指数であるS&P500指数は、52週高値から約21%下落していますが、個別銘柄に目を向けると、50%や75%、あるいはそれ以上に暴落している銘柄も少なくありません。

以下では、昨今で見ないほどに株価が急落し、絶好の買い場を迎えている3銘柄を紹介します。

ナイキ

ナイキは、スポーツ・フィットネス業界においてフットウェア、アパレル、ギア、アクセサリーなどのデザイン、商品開発、販売を手掛け、幅広い分野で世界をリードするブランドです。これを知らない人はほとんどいないでしょう。しかし、老舗ブランドのコンバースもナイキの傘下にあるというのは、意外と知られていないかもしれません。

アディダスやニューバランスといった企業との競争に加え、他の多くの企業と同様に、サプライチェーン問題にも直面しています。重要市場である中国での売上は、パンデミックによるロックダウンが圧力となっています。それでも、ナイキのブランド力には絶対的強さがあり、インターブランドの調査によると、ナイキのブランド価値は410億ドルで世界第10位にランクされます。

投資家は、ナイキの6-8月期(2023年5月期第1四半期)決算で在庫の急増が明らかになったことを嫌気しましたが、決算内容は悪いことばかりではなく、売上高も利益もアナリスト予想を上回りました。株価は52週高値から47%ほど下落し、株価収益率(PER)は27倍と、過去5年平均の47倍を大幅に下回っており、数ヶ月前と比べてもはるかに魅力的な水準となっています。

しかし、株価はまだ底打ちしていない可能性もあるため、もしナイキの成長性を信じるならば、さらなる安値を伺いながら徐々に買い増していくのが良いかもしれません。あるいは、ウォッチリストに追加しておいて、ブランドスローガンである「Just Do It.」のタイミングを待つのも良いでしょう。

コムキャスト

コムキャストは、主にコネクティビティ、アグリゲーション、ストリーミングに特化した巨大メディア・テクノロジー企業に成長し、時価総額は1,350億ドルを上回ります。ご存じない方のために説明すると、グループ傘下の企業やブランドには、エクスフィニティ、コムキャスト・ビジネス、スカイ、ユニバーサル・フィルムド・エンターテインメント・グループ、ユニバーサル・スタジオ・グループ、スカイ・スタジオズ、NBCとテレムンド系列の放送網、複数のケーブルテレビネットワーク、ピーコック、NBCユニバーサル・ニュース・グループ、NBCスポーツ、スカイ・ニュース、スカイ・スポーツ、そして言うまでもなくユニバーサル・パークス・アンド・リゾーツなどが含まれます。

2022年第3四半期決算では、売上高は前年同期比1.5%減となりましたが、フリーキャッシュフローは4.7%増、調整後純利益は4.5%増、営業活動によるキャッシュフローは13.9%増でした。ストリーミングサービスのピーコックの成長に投資しており、テーマパーク事業も好調です。

ブロードバンドの成長が鈍化していることや、ストリーミングサービスへの切り替えに伴ってケーブル契約の解約が続いていることを懸念する声もありますが、コムキャストが一部の事業を売却し、ワイヤレスやテーマパークといった高成長事業に投資すれば好機であるという見方もあります。

株価は52週高値から42%下落し、予想PERは8.2倍と、過去5年平均の14.5倍から低下しています。株価が下落すれば配当利回りが上昇するのが常ですが、コムキャストの配当利回りも3.5%という高水準となっています。

アルファベット

アルファベットは、時価総額は1兆1,000億ドルを上回り、インターブランドによるブランド価値は約2,520億ドルで世界第4位にランクされるなど、広く称賛される大手企業です。それでも、昨今のボラティリティの高い市場で株価を維持するには十分ではないようです。アルファベットの株価は52週高値から42%近く下落しており、魅力的な買い場を提供しています。

アルファベットは、検索エンジン市場で圧倒的優位に立つグーグルだけではありません。傘下には、幅広く使われているAndroidモバイルオペレーティングシステム(OS)、YouTube、グーグル・クラウドといった事業があります。YouTubeだけでも、ユーザーによる1日の総視聴時間は10億時間を上回ると言われており、最近ではYouTube広告が売上高の10%を占めるなど、非常に価値のある資産です。

他にも、アプリストアのグーグル・プレイ、スマート室温制御装置のネスト、ウェアラブル端末のFitbitなど、さまざまな事業を展開しています。とはいえ、売上高の大半を生み出しているのは依然としてグーグル広告で、2022年第3四半期は全体の79%を占めました。

サンダー・ピチャイCEOは先日、「我々は、焦点を絞り、製品や事業の優先順位を明確に定めています。人工知能(AI)を用いた検索およびクラウドの大幅な改善や、短編動画YouTubeショートによる新たな収益化方法など、この1カ月に行った製品発表だけでも、それを明確に示しています」と述べました。

ルース・ポラットCFOも、「成長という最優先事項を推し進めるために、リソースの再編成に取り組んでいます」と述べています。

これらの3銘柄の他にも、長期的ポートフォリオへの組み入れを検討すべき興味深いグロース株はたくさんあります。株価が魅力的な水準に下落している今こそ、そうした銘柄に投資する絶好のチャンスです。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットの幹部であるSuzanne Freyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Selena Maranjianは、アルファベット(クラスA)およびアルファベット(クラスC)の株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット(クラスA)、アルファベット(クラスC)、ナイキの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールはコムキャストの株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。