マクドナルド(MCD)決算:1株利益は2.68ドルで市場予想を上回る
マクドナルドは、世界最大のレストランオーナーであり運営会社である。2021年度システム全体の売上高は、1,120億ドル、119ヶ国で4万店舗を超えるレストランを展開している。低価格設定のファスト・コアメニューでレストラン業界に革命を起こし、また、独立系レストランフランチャイジーとの提携を通じて優れた実績を築きあげた。
マクドナルドはフランチャイズ・モデルの先駆者であり、独立したレストランフランチャイジーとの提携を通じて世界中で強固な基盤を築いている。売上高の60%以上を、フランチャイズ・ロイヤルティ料とリース料が占めている。残りは、米国、海外運営市場、海外開発/ライセンス市場の3つの主要部門を通じて運営する自社店舗が占めている。
2021年末時点で、フランチャイズ・システムの不動産の55%と建物の80%を保有していることが、品質基準と一貫性を維持するのに大きく寄与している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★売上高・・・前年同期比5.3%減の58.72億ドル(市場予想は57.11億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.68ドル(市場予想は2.58ドル)
既存店売上高が予想を上回ったほか、調整済みEPSも予想を上回った。
値上げが奏功し、いずれも市場予想は上回った。一方でドル高が海外部門の収益を圧迫した。為替の影響を除いた場合の売上高は2%の増加になるという。
今後の株価見通し
史上最高値圏に到達。300ドルを目指す展開が見込まれる。
フォード・モーター(F)決算:1株利益は30セントで市場予想を下回る
フォード・モーターは、フォードブランドおよびリンカーンブランドの自動車を製造する。
2022年3月、内燃エンジン事業であるFord Blueとバッテリー式電気自動車(BEV)事業であるFord Model eを別々の部門とすると発表したが、どちらもフォード・モーターの下で運営される。市場シェアは米国で約12.5%、欧州で約6.5%、中国では非連結子会社を含めて約2.4%となっている。
半導体不足が解消し在庫が改善するにつれて、市場シェアは増加すると予想される。米国の売上高が2021年の全社収益の約64%を占めた。従業員数は183,000人で、そのうち全米自動車労働組合員は56,000人。ミシガン州ディアボーンに本拠を構える。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9期)実績
★総収入…前年同期比10%増の394億ドル
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・30セント(市場予想は31セント)
自動車部門の売上高は予想を上回った。調整済みEPSは下回った。ガイダンスも公表しており、通期の売上高が従来予想の下限に収まるとし、通年のEBIT利益の見通しを下方修正した。しかし、予想を上回った。通期のキャッシュフローの見通しを大幅に上方修正。最大3500万株の自社株買いの再開を表明している。
今後の株価見通し
GMと比べると見劣りする決算内容だった。株価は当面12.50ドル近辺での動きに終始しそうだ。
コムキャスト(CMCSA)決算:1株利益は0.96ドルで市場予想を上回る
コムキャストは、3つの事業で構成されている。中核のケーブル事業は、テレビ、インターネット・アクセス、および電話サービスを、約6,100万の米国の家庭および企業(米国の半分近く)に提供可能なネットワークを所有する。
地域の約56%の家庭が、少なくとも1つのコムキャスト・サービスを契約している。2011年にGEから、CNBC、MSNBC、USAなどのケーブルネットワーク、NBC放送ネットワーク、地元のNBC関連会社、Universal Studiosやいくつかのテーマパークなどを含むNBC Universalを買収。
2018年に買収したSkyは、英国で最も優勢なテレビ局で、地位を築くために独占的なコンテンツに大幅な投資をしてきた。イタリア最大の有料テレビプロバイダーでもあり、ドイツとオーストリアでのプレゼンスを有する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★総売上高・・・前年同期比1.5%減の298.49億ドル(市場予想は296.01億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.96ドル(市場予想は0.90ドル)
売上高、調整済みEPSとも予想を上回った。1.5%減収、5%増益。NBCユニバーサルと、テーマパークの売上高はともに予想を上回った。高速インターネットの契約者数は、予想を上回る増加となった。一方で、ビデオ契約者数は、予想以上の落ち込みとなった。
今後の株価見通し
39ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
クァンタムスケープ(QS)決算:1株損失は27セントで市場予想を下回る
クァンタムスケープは、電気自動車に搭載される次世代型固体リチウム金属電池の開発に取り組んでいる。アノード(負極)を持たない電池の開発により、従来のリチウム電池に比べて材料コストを下げ、製造過程を簡素化しながら、高いエネルギー密度を実現している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★調整済みEPS・・・27セントの赤字(市場予想は20セントの赤字)
★調整後EBITDA…前年同期比76%増の6740万ドルの赤字(市場予想は6770万ドルの赤字)
調整済みEPSの赤字幅は予想以上に悪化した。ただし、同調整済みEBITDAの赤字幅は、予想ほど悪化しなかった。
今後の株価見通し
株価上昇につながるカタリストとなる材料が出てこない。当面8ドル台で底練りの動きが予想される。
アマゾン・ドットコム(AMZN)決算:1株利益は28セントで市場予想を上回る
アマゾン・ドットコムは、主要なオンライン小売業者で、収益で最大規模のeコマース企業である。
2021年度の売上高は3,860億ドル、総取引額(GMV)は推定5,780億ドルである。売上高に占める割合は、小売関連が約80%、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウド・コンピューティング、ストレージ、データベース、その他サービスが10%~15%、広告が5%、残りはその他からとなっている。AWS以外の売上高では、ドイツ、英国、日本など米国外が25%~30%を占める。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比15%増の1271.0億ドル(市場予想は1276.4億ドル)
★営業利益…前年同期比48%減の25.3億ドル(市場予想は31.1億ドル)
★1株当たり利益・・・28セント(市場予想は22セント)
調整済みEPSは予想を上回ったものの、売上高は予想を下回った。15%増収、48%減益。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)売上高も予想を下回った。ガイダンスも公表しており、売上高、営業利益ともに予想を下回る見通しを示している。
今後の株価見通し
当面底値模索の動きが予想される。