10月末というと何を思い浮かべるでしょう?
ハロウィンでしょうか?仮装やパーティの予定について?
個人投資家の皆さんは「黒田バズーカ第3弾」が発動されるかどうかの方に、より注目しているかもしれませんね。
ご承知の通り、今週金曜日の10月30日には日銀の政策決定会合が開かれます。そこで追加の金融緩和があるかどうか、多くの市場関係者が固唾を呑んで見守っています。
そこで「やさしい」当講座としては、そもそもなぜ金融緩和なのか、黒田バズーカとはどういうもので、どういう効果が期待されてきたものなのか、簡単に説明したいと思います。

◆金融緩和とは

景気が良くない時、悪くなりそうな時に中央銀行である日本銀行が取る経済政策の一つ。世の中に出回るお金の量を増やして景気を刺激しようというもの。世の中のお金を「緩む」(じゃぶじゃぶにする)ように誘導しますから金融緩和と呼び、反対の政策は「金融引き締め」です。
方法としては金利を下げる、銀行が貸し出せるお金の量を増やす(そのために銀行が保有する国債を買い上げるオペレーションを行う)といったものがありますが、既にほとんどゼロ金利の日本ではこれ以上金利を下げる施策はとれませんので、どうしても「量的」手法となり、登場したのが「量的緩和」というわけです。

◆黒田バズーカとは

現日銀総裁である黒田東彦総裁は着任早々の2013年4月に通称「異次元緩和」と言われる過去最大級の金融緩和政策を行いました。これまでに比べ、より長期の金融資産、リスク資産の買い入れを行う金融緩和手法なので「量的・質的緩和」と言います。
阿部首相が打ち出したアベノミクスを後押しする政策で、急激な円安、それに伴う株高をもたらし、後に「黒田バズーカ(砲)」と呼ばれるようになりました。
2014年4月に消費税率引き上げ、景気先行きが危ぶまれつつある中、10月31日電撃的に日銀は追加金融緩和策を発表、市場はサプライズ効果もあり、円安・株高へ。それが黒田バズーカ第2弾です
最近のぱっとしない経済指標等から、第2弾から丸1年後である今月末の日銀政策決定会合において第3弾が発動されるのではないか、という期待もあって注目されているのです。

市場が瞬間反応して円安、株高になったとしても、それは景気回復そのものとイコールではありません。ただ、アベノミクスがそうであったように「気」の方向付けとお金の供給で実体経済が良くなってきたことも事実です。政策効果はけっして瞬時のものではないということですね。

黒田バズーカ第3弾があるかは金曜日の昼過ぎには結果が出ますので、金曜日夜から翌日のハロウィンも楽しむことはできそうですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員