ボーイング(BA)決算:1株損失は6.18ドルで市場予想を下回る
ボーイングは、航空宇宙および防衛の大手企業である。民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバル・サービス、ボーイング・キャピタルの4つの部門で事業を展開している。
民間航空機部門は、130座席を超える航空機の生産でエアバスと競合している。防衛・宇宙・セキュリティ部門は、軍用機や武器の製造でロッキードやノースロップなどと競合している。グローバル・サービス部門は、航空会社にアフターマーケット・サービスを提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★売上高・・・前年同期比4%減の159.56億ドル (市場予想は177.38億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・6.18ドルの赤字(市場予想は0.14ドルの利益)
売上高が予想を下回り、調整済みEPSも予想外の赤字となった。防衛・宇宙・セキュリティ部門が冴えなかったが、防衛部門の固定価格制の開発プログラムが影響し、記録的な損失を計上した。
今後の株価見通し
同社株は以下の通り依然として厳しいベアトレンド下にある。当面底値模索の動きが予想される。
ボストン・サイエンティフィック(BSX)決算:1株利益は0.43ドルで市場予想を下回る
ボストン・サイエンティフィックは、小さな開口部または切れ目を通して人体に挿入される侵入の少ない医療装置を生産する。
血管形成、血栓ろ過、心調律管理、カテーテル指向超音波イメージング、構造性心疾患、上部消化管診断、介入腫瘍学、および失禁の処置に使用するための製品を製造する。世界中のヘルスケア専門家や施設にデバイスを販売している。米国外売上高が全売上高の約半分を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★売上高・・・前年同期比8%増の31.70億ドル(市場予想は31.23億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.43ドル(市場予想は0.44ドル)
売上高は予想を上回り、調整済みEPSは下回った。8%増収、7%増益。続く第4四半期調整済みEPSガイダンスレンジは予想を下回った。通期ベースのガイダンスを公表しており、売上高成長率ガイダンスを引き下げた。同調整済みEPSガイダンスレンジを引き下げ、予想を下回った。
今後の株価見通し
43.50ドル超えから、47ドルを目指す展開が見込まれる。
マイクロソフト(MSFT)決算:1株利益は2.35ドルで市場予想を上回る
マイクロソフトは、消費者や企業向けのソフトウェアを開発しライセンスを供与している。Windowsオペレーティングシステム(OS)やプロダクティビティツールであるOffice製品で知られている。
事業は、プロダクティビティ・ビジネスプロセス部門(従来型Microsoft Office、クラウドベースOffice 365、Exchange、SharePoint、Skype、LinkedIn、Dynamics)、インテリジェントクラウド部門(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービスやプラットフォーム・アズ・ア・サービスであるAzure、WindowsサーバーOS、SQL サーバー)、モアパーソナルコンピューティング部門(Windows Client、Xbox、Bing検索サービス、ディスプレイ広告、サーフェスラップトップ、タブレット、デスクトップ)の広範な製品を手掛ける同様な規模を持つ3つ部門で構成されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(7-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比11%増の501.2億ドル(市場予想は495.6億ドル)
★1株当たり利益(特別項目を除く)・・・2.35ドル(市場予想は2.29ドル)
売上高、調整済みEPSがともに予想を上回った。ただし、売上高が前年同期比11%増と、伸び率は過去5年間で最も低い水準にとどまった。クラウドサービスは堅調だったが、パソコン(PC)関連が減速し、円やユーロに対するドル高も逆風となった。
今後の株価見通し
再度ベアトレンド下に入ってしまった。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)決算:1株利益は2.99ドルで市場予想を上回る
ユナイテッド・パーセル・サービスは、世界最大級の小口貨物配送業者である。500機を超える航空機、10万台以上の運送車両、数百カ所に仕分施設を展開し、1日平均2,500万個を超える荷物を世界各地の住宅および企業に配送する。
米国国内小口貨物部門が売上高の62%、国際小口貨物部門が20%を占める。LTL(積合わせ)輸送、海外フレイト・フォワーディング、および、請負ロジスティックが残りを占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★売上高・・・前年同期比4.2%増の241.61億ドル(市場予想は243.00億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 2.99ドル(市場予想は2.85ドル)
決算での売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSはともに予想を上回った。4.2%増収、10%増益。ピークシーズンの需要の落ち込みが輸送市場を揺るがす中、通期の目標達成に向けて順調に進んでいるとしている。
今後の株価見通し
9月に、米物流大手フェデックスが景況悪化を理由に通期の利益見通しを撤回したことで、市場では、他の業種や企業でも同様の動きが出ることへの警戒感が強まっていた。60ドルレベルを下限にした底練りが継続しそうだ。
レイセオン・テクノロジーズ(RTX)決算:1株利益は1.21ドルで市場予想を上回る
レイセオン・テクノロジーズは、ユナイテッド・テクノロジーとレイセオンの合併により誕生した。航空宇宙から防衛産業におよぶ多角的な事業を展開する。元請負・下請負会社として、商用航空宇メーカーと防衛市場へのエクスポージャーはほぼ拮抗している。
事業は4つの部門で構成されている。プラット・ホイットニー部門はエンジンの製造、コリンズ・エアロスペース部門は多角的な航空宇宙製品・サービスの提供、インテリジェンス・宇宙・エアボーンシステム部門はセンサー事業と政府向けIT請負事業が混合している。統合防衛・ミサイルシステム部門はミサイルおよびミサイルハードウェアに重点を置き、防衛産業分野で元請負事業を展開する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月―9月期)実績
★売上高・・・前年同期比4.6%増の169.51億ドル (市場予想は172.13億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.21ドル(市場予想は1.14ドル)
売上高は予想を下回り、調整済みEPSは予想を上回った。4.6%増収、6%減益。通期ベースのガイダンスを公表しており、売上高は引き下げ、予想を下回ったが、同調整済みEPSは、ガイダンスレンジの下限を引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
中間選挙で共和党が有利になっており、一部防衛関連株である同社株は妙味を増すが、ロッキード・マーチンやゼネラル・ダイナミクスと異なり、完全に防衛関連ではない。従って、株価の動きも、今ひとつだ。89ドルのネックライン超えから上値追いが予想されるが、当面下値固めか。