先週月曜日に株価と女性労働効率に影響を与えたのが「福山ショック」。(かく言う私も多少なりともガッカリしたものです...)
歌手で俳優の福山雅治さんの突然の結婚発表は株価下落(彼の所属する会社アミューズの株が急落)や女子社員の無気力、早退等々、驚きの社会現象を引き起こしましたが、後日伝説として語り継がれることでしょう。

お相手の吹石さんとの年齢差が13歳とのことですが、最近の芸能界は年の差婚が多いですね。男性が40代になってからの結婚も多いです。これは芸能界に限ったことではなく、一般社会でも晩婚化は以前から問題視されていますし、年の差婚についていえば、私の周辺を見渡しても15歳以上の年の差婚は何組もいます。

マネーコラムですので芸能ネタに終始できません(笑)ので・・・FPとしてこの点を見た場合、夫が年上の場合、やはり妻の老後については準備すべきことがいくつかありますね。
2014年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳ですから単純に計算すると女性の方が6歳超長生きです。15歳の年齢差がある夫婦だと、女性は一人の老後が21年にも及ぶことになります。
経済的な点については、夫の職業や資産額、妻の就業の有無、子どもの有無等により個々状況は変わってきます。夫に定年がなく、生涯現役(かつ健康で)の上、子どもがいない場合は、妻は自身の老後の生活や資金について考えれば済むかもしれません。サラリーマンの場合、例えば60歳定年だとするとその時妻は45歳。もし学齢期の子どもを抱える専業主婦だと夫の年金受給開始時までは無収入、退職金を使い込んでしまうと、その後の長い老後が大変厳しいことになります。子どもの学費養育費の確保や自身の早めの就業を含め、ライフスタイルについては前もって準備検討しておく必要がありますよね。

では年の差婚はサラリーマンの方が損かと言えば、サラリーマンは老齢厚生年金受給者なので、受給額も国民年金のみの場合より高くなりますし、妻が65歳になるまで「加給年金」が加算されます(妻の年収が850万円未満の場合)。また夫に先立たれた後の遺族年金(遺族厚生年金)についても子どもの有無にかかわらず受け取れます。夫が国民年金加入者の場合だと、老齢基礎年金は満額でも年間78万100円(平成27年度)。遺族年金(遺族基礎年金)は、子(18歳未満)がいる妻は受給で資格がありますが、子どもがない妻は受け取れません。

もちろん、急な病気や事故は年の差婚夫婦に限ったリスクではありませんが、年の差婚の場合、前述のように女性が老後長く独りで生活していく可能性は高いことは現実です。
年の差婚である友人は、冷静過ぎるほど冷静に夫の終活と自身の就業について話してくれました。ご主人が元気なうちだからこその冷静さだと思いますが、大切なことですよね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員