その制度の名前は知っているけれど、なんだか今一つピンとこない、現実味をもっていない、という方もまだまだ多いようです。会社員の方は社内研修などを既に受けていらっしゃるかもしれませんね。
「通知カード」には個人番号と氏名、住所、生年月日、性別の基本4情報が記載されます。このカードは住民票に登録された住所に簡易書留で郵送されますので、住民票と異なる住所に住んでいる方はぜひとも注意してくださいね。
もう一つ、「個人番号カード」と呼ばれるものがあり、こちらはICチップを搭載し、電子証明書として様々な電子申請ができ、写真付きで身分証明書としても利用可能できるようになります。こちらのカードの保有は任意ですが、「通知カード」と引換に来年(平成28年)1月以降、各個人が直接市町村役場に申請することで交付されます。社会保険や税金のことは会社任せで済んでいた会社員の方も、この「個人番号カード」を手にするためにはご自身で申請する必要があります。
紛失等による個人情報の流出リスクや詐欺等の犯罪にまきこまれるリスクを考えると気軽に持ち歩きたくはない気もしますが、今後起こりうる様々な手続きには原則ネット経由が中心になりそうで(そのためには「個人番号カード」が必要です)、読者の皆様には何の障害もないとは思いますが、ネットリテラシーの低い方、その環境の整っていない方などには何をするにも大きなハードルになりかねない心配がありますね。
マイナンバー制度というのは簡単に言えば国民一人ひとりに背番号をつける制度。これから先の年金、医療保険といった社会保障や税関係、災害対策等、生活に関わるマネーのうち公的な部分が集約されてくると言っても過言ではありません。
新しい制度と聞くと、難しい気がして敬遠してしまう方も多いです。特に年金や税金、投資関連と聞くとハードルが一気に上がってしまうことも。過去には確定拠出年金、最近ではNISA制度等々。今回のマイナンバー制度に関しては、無関心を装うこともできないまま、確実に生活に関わってきます。知らないままにしておくと、将来的に損をするのは自分自身となってしまいます。
通知カードは今週以降(正確には10月5日以降)届き始めますが、制度の運用開始は来年1月からで、まだまだ時間はあります!現状ではとりあえずネットや本などで情報を集めて理解を深めることしかできませんが、その時になって慌てるよりは、知ることこそがまずは大切ですよね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員